世界に向けて再構築された通貨:複数担保型Dai始動!

November 29, 2019

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11月18日16時(UTC)に複数担保型Dai(MCD)がローンチされました!

今すぐに誰でもどこにいても、MakerDAOの移行ポータルを使用して簡単にSaiからDaiへのバージョンアップし、MCDが提供する全ての機能が利用できるようになります。

人々による人々のための通貨

2017年MakerDAOは、相場の急激な価格変動がほとんどない分散型暗号通貨、Daiという新しく革命的なアイディアを発表しました。それ以降突如として、銀行口座を持たない人々および銀行口座を十分に利用できない人々を含む世界中の人々が、中央集権的組織の仲介なしに、誰でもアクセスできる安定した価値貯蔵手段を手に入れることができました。11月18日Makerは、より強力でありながら柔軟性の高い通貨を稼働するためのさらに頑丈になったプラットフォーム、複数担保型Daiをリリースしました。

少し前まで、MCDはブロックチェーン上での商業の未来の形成をサポートするシステムの構想にすぎませんでした。しかし、その構想は現実のものとなりました。MCDでは、従来のような制限や今までのシステムに固有の価格変動の激しさなしに、世界中の企業や個人がデジタルマネーの利点を実現できるようにするという約束を果たす準備ができています。

「この瞬間を5年間思い描いてきた。」とMaker FoundationのCEO、Rune Christensenは言います。彼はまた「例えばナイジェリアに住んでいる銀行口座を持てない人々からアメリカにいる銀行を十分に活用できない人々にいたるまで、多くの人の人生をMCDで変えることができるなんて、信じられないくらい素晴らしいことだ。」と述べました。

MCDのローンチはまた、Makerガバナンスがさらに高度になっていっても、依然として慎重なスケーリングが重要であることを意味します。「MCDの最大のハードルはガバナンスです。MKR有権者が基本的なMCDシステムの管理を心地よくできるようでなければいけません。」

バージョンアップは、Makerコミュニティの数え切れないほどの時間に及ぶ努力、献身そして監督の成果です。「MCDは多くのコミュニティメンバーのサポートとインプットなしには絶対に実現できませんでした。」とChristensenは考えています。「みんなに感謝しています。」と彼は続けました。

Makerはコミュニティと連携して、MakerプロトコルとDaiを次の段階へと導くという長年の約束を果たしました。Maker Foundationはコミュニティ、Dai保有者、およびMakerガバナンスコミュニティがこれからもMakerプロトコルを構築し、Daiの可能性を高め、広げていくのを楽しみにしています。

MCDについて知っておくべきこと一覧

Makerは11月8日に複数担保型Daiのローンチで期待できることを発表しました。11月12日火曜日のコミュニティコールでは、Makerコミュニティのデベロップメント代表David Utrobinが、参加者と一緒にMCDの機能についての再確認を行いました。本記事では、MCDのローンチにより利用可能になった機能全てを簡単にまとめてみます。

移行

SaiからDaiへの移行には今がチャンスです。ユーザーのみなさんがいつも利用している取引所やパートナーは、18日のローンチに向けて用意をしてきて、現在もう移行が可能になっています。サポートが必要な場合には移行ガイドを参照してください。また、移行機会には期限があることを忘れないでください。Makerコミュニティは、この先ある時点で、Saiエコシステムを効果的に管理することがもはや不可能または望ましくないと判断し、SCDの緊急時シャットダウンを引き起こす可能性があります。バージョンアップされていないSaiとCDPがどうなるかについては、緊急時シャットダウンに関するドキュメントを確認してください。

安定化手数料支払い方法の変更

単一担保型Daiのシステムでは、安定化手数料はMakerプロトコルのガバナンストークンであるMKRで支払われていました。MCDシステムでは、Vault所有者は安定化手数料をDaiで支払います。

さらなる担保オプション

現在MCDで利用可能な担保タイプはETHとBraveのデジタル広告用トークンBATの二つです。Makerコミュニティは現在、予測市場AugurのREPの査定を行っています。Makerプロトコルを拡張したことは、Maker有権者の承認を得られれば、適切なリスクパラメータを有するトークン資産ならどれでも、将来担保として利用可能になりうるということを意味します。

Dai貯蓄率(DSR)

DSRの真の魅力は、その簡潔性にあります。いくつかのシンプルな段階を踏むだけで、ユーザーはMakerプロトコル内で手数料なしで手持ちのDaiから利益を得ることができます。DSRは、個人、起業家、トレーダー、パートナー、そしてもちろん開発者にとって新しく強力なツールです。

Dai保有者は、Oasis Saveを使用してDSRコントラクトでDaiを入出金できるようになりました。

DSR dappのモックアップ

DeFiハブ Oasis

一体型DeFiハブのOasisでは、Oasis Tradeと新機能であるOasis BorrowとOasis Saveが一ヶ所にまとめられており、スムーズなユーザーエクスペリエンスを提供しています。

  • Oasis Trade:11月18日より、Oasis TradeはSaiの取引を行わなくなりました。しかし重要な点として、DAI/USDCペアおよび新しいETH市場が追加されました。ユーザーは、現在のSaiの注文をキャンセルし、SaiトークンをDaiに移行して、Dai市場での取引を再開できます。
  • Oasis Borrow:Oasis Borrowは、ユーザーがVaultに自身の担保資産(現在はETHとBAT)をロックしてDaiを生成するためのポータルです。ユーザーは、Borrowダッシュボード一カ所で複数のVaultの作成および円滑な管理ができます。
  • Oasis Save:Oasis SaveはDSRの利用ができる上記のプロダクトです。

取引所での複数担保型Daiに関する予想

多くの取引所がMCDの提供開始の準備をしています。しかし取引所はそれぞれ独自のスケジュールに沿っています。そのスケジュールは1~3週間ほどで公表されると予想されますが、ユーザーの皆さんには取引所に連絡して確認することをお勧めします。

ガバナンス投票とエグゼクティブ投票

Makerプロトコルは、エグゼクティブ投票システムを通してガバナンストークンであるMKRを保有している世界中の人々によって管理されています。Makerコミュニティは、今年中は定期的なガバナンスコール、調査、投票があると考えておくべきです。

オラクル・セキュリティ・モジュール(OSM)

11月8日にOSMが発表されました。OSMにより価格を1時間遅らせ、これにより不正に侵害された際に、緊急時オラクルまたはガバナンス投票によりオラクルをフリーズすることができます。緊急時オラクルまたは価格遅延期間に関する決定は、MKR有権者が行います。

新しい用語

11月1日に公開されたCDPの終わりとMaker Vault の始まりに記載されているように、債務付担保ポジションは「Vault」という名称に変更され、単数担保型DaiはSaiと、MCDで発行されたDaiはDaiと呼ばれることになります。

新たなブランディング、ウェブデザイン、そしてUX

Makerのホームページからこのブログ記事に来た方は、ホームページのデザインが変わったことに気づいたかと思います。ブランディング、ウェブデザイン、プラットフォームインターフェースの変更により、DeFiの主流化およびDaiの通貨としての世界的認識を促進するでしょう。


さらなる新しいコンテンツ

パートナー、Vault所有者、Dai保有者、および新規参入者に向けて、Maker Foundationとより規模が大きくなったMakerDAOコミュニティのメンバーがFAQを改善しました。またスマートコントラクト、SDK、API、およびプロダクトを通じて開発者がMakerDAOおよびパートナーと連携できるように、ガイドを含む開発者リポジトリとチュートリアルは引き続き提供されます。

今後数日のうちに、MCDシステムにおける設計全ての技術的説明を含む新しいホワイトペーパーがリリースされます。

準備完了!

SaiをDaiに移行し、一体型のOasis Trade、Oasis Borrow、およびOasis Saveポータルで、MCDを最大限に活用しましょう。

バージョンアップまたはMCDの機能について質問がある場合は、Makerフォーラムでお気軽にご連絡ください。

November 29, 2019