Daiはどのようにしてアメリカをはじめとした非銀行口座保有層のニーズに応えているのか

September 25, 2020

【Makerブログのご利用にあたってのご注意事項】
当ブログに掲載されている事項は、MakerおよびDaiに関する一般的な情報の提供のみを目的として作成したものであり、特定の商品又はサービスの勧誘や推奨等を目的としたものではありません。

銀行は、富を蓄え、ローンおよびオンライン決済サービスにアクセスし、貯蓄で金利を稼ぐのに安全な場所と言ってほぼ間違いないでしょう。しかし、全ての人がこのような恩恵を享受できる訳ではありません。様々な理由から、個人的にまたは仕事で成功するのに必要な金融サービスの恩恵にアクセスできない人が、世界中にはたくさんいます。MakerDAOは、世界初の公平な暗号通貨であるステーブルコインDaiを通じて、この状況を変えていく手助けを行っています。Daiは、イーサリアム・ブロックチェーン上に構築されているMakerプロトコルを介して生成され、アメリカ、ひいては世界の非銀行口座保有層に、銀行口座保有層と同じ機会を、第三者の介入なしに提供できるように設計されています。

非銀行口座保有層の金融サービスへのアクセスを助けるDai

数字で見る非銀行口座保有層

世界銀行の2017年Global Findexレポートによると、世界の成人の31%(17億人)が、「金融機関」の口座を持っていない、または「モバイルマネー・プロバイダー」へのアクセスができず、非銀行口座保有層と分類されています。何らかの金融口座を持たずにいる最も一般的な理由は、資金不足(口座を開設するための最低預金額を満たせない)であると、この報告書は指摘しています。非銀行口座保有層のほとんどは経済発展途上地域に存在し、総人口が膨大なインドおよび中国では、相当数の非銀行口座保有層が見られます。

アメリカの非銀行口座保有層の人口は、皆さんが想像するより多いかもしれません。連邦預金保険公社(FDIC)の2017年の調査(入手可能な調査の中で最新のもの)によると、アメリカの世帯の6.5%が非銀行口座保有層で、それに加え18.7%が、非銀行利用層の世帯です。アメリカでのこのような非銀行口座保有世帯、および非銀行利用世帯の合計は、3200万世帯になります。

なぜアメリカには非銀行口座保有層、または非銀行利用層が多いのか?

アメリカ人が非銀行口座保有層、および非銀行利用層である理由は、ほとんどの場合、他の国の居住者と同じです。口座を開設および維持するのに十分な資金がないのに加え、非銀行口座保有層のアメリカ人は、適切な身分証明書を持っていないこともあります。中には過度の借金がある、またはサービス拒否に至るような状況にいる人もいるかもしれません。個人的な理由から、または地理的な問題から金融サービス機関を避けようとする人もいます。

過去10年ほどのモバイル・バンキングの増加に伴い、アメリカの地方では多くの銀行の支店が廃業になり、それによって都市部以外に住む人のサービスへのアクセスが困難になりました。 モバイル・バンキングによって、地理的問題および支店消滅問題は解決するはずですが、様々な理由からそういう訳にはいきません

銀行および金融サービスの口座なしでは、クレジットカードやその他のオンライン決済方法などの便利な機能へのアクセスが、極端に制限されてしまいます。口座振込を利用し、オンラインで買い物をし、貯蓄で金利を得て、当座預金口座または普通預金口座から自動的にオンラインで光熱費を支払うことができずに現代社会で暮らしていくことは、非常に面倒です。しかし、非銀行口座保有層は、この分野で日常的に苦労しているのです。

「非銀行利用層という言葉には、広範囲の変動要素が含まれていますが、本質的に非銀行利用層の人々は、貯蓄およびローンの手段という銀行システムの最も重要な側面を享受できずにいます。貯蓄で金利を得られない、またはローンを組めないということには、農場で働くことと農場を所有することと同じくらいの違いがあります。」と、Makerのビジネス開発代表グレッグ・ディプリスコは言います。

繁栄に必要な金融アクセス

暗号通貨およびブロックチェーン技術の最大の恩恵の一つは、金融アクセスのしやすさであり、これは成功への道を歩むすべての人にとって、最初の一歩になります。MakerのDaiステーブルコインを利用すれば、インターネットに接続している人なら誰でも、自身の経済的な目標を達成するためのサービスにアクセスできます。それに加え、Dai保有者は自身の資産の完全な管理権を持っています。 

「Daiは分散型なので、資金の管理権を個人の元に戻しています。世界の成人の非銀行口座保有層の3分の2が携帯電話を所有しています。このことはつまり、彼らはDaiへ即座にアクセスでき、第三者の干渉なしにピア・ツー・ピアの、ウォレットからウォレットへの、迅速かつ低コストなトランザクションが行えるということを意味しています。」とディプリスコは言います。

Daiには以下のような利点があります。

自己主権型暗号通貨世代と自己主権型管理

担保をMaker Vaultにロックすることで、誰でもMakerプロトコルを介してDaiを発行できます。現在ユーザーは、Makerガバナンスで承認された4つの担保 (ETH、BAT、USDCおよびWBTC)をロックしてDaiを獲得することができ、また、発行したDaiを安定化手数料と一緒に返済することで、担保を回収できます。

資本移動

Daiは、世界中のどこからでも、どこへでも、第三者の干渉なしに簡単で迅速かつ安定していて安全な価値の移動を可能にします。ピア・ツー・ピアで直々のDaiの送付は、迅速に低コストでできます。

透明性

全てのDaiのトランザクションは修正不可能で、オンラインで共有されている公開台帳上で誰でも見ることができます。これによって、追跡可能な監査証跡が効果的に作成されます。MakerDAOのようなプロジェクトは、分散型台帳技術を使って、分散型金融(DeFi)を取り入れ消費者の信頼を築いています。

貯蓄増加

Daiユーザーは、Dai貯蓄率(DSR)に保有しているDaiをロックすることで、さらなるDaiを得ることができます。DSRを獲得するのに必要な最低入金額はなく、ユーザーはいつでも、Daiの一部または全部を引き出すことができます。

Because there is no minimum deposit requirement to earn the DSR, Dai can help the unbanked save.
Dai保有者が年利5%の貯蓄率に100Daiを預け入れたとすると、12ヶ月後には105Dai得ることができます。(注:ユーザー自身がDaiを管理し、いつでも自身のDaiを引き出すことができます)

Maker+Dai=ユーザーの完全な管理権

トラストレスで自律システムであるMakerプロトコルは、世界中の非銀行口座保有層、および非銀行利用層が、銀行口座保有層の人々に与えられているたくさんの機会へアクセスする手助けになっています。DaiはDeFiエコシステムの成長を促進すると同時に、ユーザーに暗号通貨の完全な管理権を与えています。

DaiおよびMakerプロトコルのさらなる詳細については、Makerブログで最新情報をご覧になり、Makerフォーラムの議論にぜひ参加してみてください。

September 25, 2020