なぜ暗号通貨には価値があるのか、どうしてそれが重要なのか?

March 6, 2020

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こちらの記事は、6回にわたる「暗号通貨へようこそ」の第2回目です。ここでは、暗号資産の利点や暗号通貨の購入方法から価格チャートの読み方となぜそれが重要になるかまで、全てをカバーしています。 


復習
第1回:暗号通貨とブロックチェーン・テクノロジーの恩恵

はじめに

暗号通貨は、金本位制以来貨幣に起こった最も重要な出来事かもしれません。多くの人が暗号通貨に対して未だに懐疑的で、なぜ暗号通貨に価値がありどのようにその価値を保持しているかを完全には理解できていない一方で、2009年に初めてビットコインがマイニングされて以降暗号通貨の進化を追ってきて、その関連性とメリットを理解し、暗号通貨、特にステーブルコインを従来の貨幣より優れたものだと考えている人もいます。最も有望であるデジタル通貨は、分散化を通じて全ての人に金融的自由を提供し、世界中の金融サービスを変えています。

より効率的に設計された暗号通貨

暗号通貨は、暗号通貨科学とブロックチェーン・テクノロジーを組み合わせたデジタル資産で、金融取引をより迅速、安価、かつ安全に実現します。分散型暗号通貨は従来の貨幣の機能を全て持ち合わせています。そして、暗号通貨は全体主義政府やいかなる第三者の干渉も受けないので、従来の貨幣以上のことができます。

例をあげると、Makerの分散型ステーブルコインDaiには国境がなく(Daiの価値はアメリカでも南米でもヨーロッパでも世界中どこでも同じ)、外部機関の干渉が全くなしにpeer-to-peer(ピア・ツー・ピア)で取引できます。ユーザーはいつでもどこからでも直接取引できるだけでなく、中央銀行やカウンターパーティに頼る必要なく自立的に取引でき、自分の資産を自分で完全に管理できます。

MakerのMariano Contiが、アルゼンチンではDaiで給料が支払われている方がアルゼンチンペソよりも安定した暗号通貨へアクセスできるのはどうしてかを説明しています。

暗号通貨は、ユーザーが貨幣に望むことを行っているという点、つまり一定した価値を貯蔵し、局地的でなく全世界で商品やサービスの交換手段として機能するという点に価値があります。特にDaiは、Daiが発行されているシステムであるMakerプロトコル内およびMakerエコシステムのブロックチェーンdapps(分散型アプリケーション)内で価値尺度として機能している点で、ユーザーにとってメリットになります。  

暗号通貨はどのようにして価値を保持しているか

他の通貨と同様に暗号通貨も交換手段として機能する以前に、効果的に価値を保持できなければなりません。しかしその価値はどこから生まれてくるのでしょうか?そして優れた価値の貯蔵とは何なのでしょうか?

ビットコインもイーサ(ETH; イーサリアムという主要なブロックチェーンのデジタルコイン)も、その価値は需要と供給の結果生まれているので、両方とも価格変動の激しい資産となっています。ビットコインのボラティリティがよく知られています。ETHの価格変動も激しいですが、その価値は市場だけでなく、分散型金融(DeFi)と中央集権型金融(CeFi)両方の有用性と関連しています。ETHは、イーサリアム・ブロックチェーン上に構築された多数のスマートコントラクト・プラットフォームをサポートしています。これには、Makerプロトコルや、DaiとMakerプロトコルと連携するように開発者が構築したdappsも含まれています。  

一方でDaiはステーブルコインであり、Daiの価値を裏付けている担保資産と、Daiの金融政策を変更し米ドルとのソフトペッグを維持しているガバナンス・プロセスのおかげで、その価値を一定に保っています。現在、MakerガバナンスがMakerプロトコルで担保として受け入れている資産は、ETHとBAT(イーサリアム・ブロックチェーンベースのデジタル広告トークンであるBasic Attention Token)です。プロトコルは過剰担保を要求しているので、システムでDaiの裏付けになっている担保の総額は常に流通しているDaiの総額よりも多くなります。この過剰担保によってDaiの安定が確保され、ビットコインやイーサよりも優れた(つまり価格変動幅の少ない)価値の貯蔵手段かつ有益な交換手段になります。

透明性:大きな付加価値

銀行に足を運び、その銀行の完全なる台帳、つまりオープンしてから現在までの住宅ローン、債務、取引などの全ての記録を見させてほしいと頼むところを想像してみてください。おそらくその要求は拒否されるでしょう。しかし、ブロックチェーンはデジタル台帳の一種であるため、Makerプロトコル(およびブロックチェーン上で構築されたその他の分散型ブラットフォーム全て)では、誰でもいつでもすべてのトランザクションを見ることができます。ブロックチェーンでは、全ての取引がノードと呼ばれるデバイスの幅広いネットワーク上で記録、認証、共有されています。デジタル台帳は透明で、誰でも追跡可能かつ閲覧可能な証跡を提供しています。このようにブロックチェーンは信用問題や相互関係により生じる問題を排除してくれます。(例えば、ユーザーは取引を行う際に中央銀行や中央機関を信用する必要がありません。ユーザー自身が暗号通貨とその使用方法を完全に管理できます。)

透明で追跡可能かつ常に閲覧可能なイーサスキャン上のDaiステーブルコインの監査証跡

エンパワーメント的かつ低コストな暗号通貨

インターネットは社会を変革していますが、グローバル金融システムは未だに相対的に見ると暗黒時代にあります。Venmo、PayPalなどの最も人気のあるフィンテックアプリは、従来の金融サービスをよりシンプルな方法で提供するのに役立ちましたが、第三者が依然として関与しており、ユーザーが真にpeer-to-peer(ピア・ツー・ピア)で取引することは不可能です。 

さらに、国境を越えて送金するには、銀行や送金サービスなどの第三者に頼っているだけでなく、現代にしては遅すぎるサービスに対して高い手数料を支払うことを余儀なくされています。世界中の金融取引のほぼ7%が、手数料に当てられています。これらの手数料の大部分が送金に関わった多くの仲介業者に支払われます。さらに、国境を越えた従来の取引にはたくさんの時間がかかり、取引が完了するまでに数日かかることもあります。取引のコストのせいで通貨の価値が損なわれてしまうことは、誰も望んでいません。

フィンテックアプリは、世界中にいる約17億人の銀行口座を持たない人が口座を持つための助けには全くなりません。分散型暗号通貨は、口座を持たない人および銀行に十分にアクセスできない人へ、口座を持てる人と同様の多くのアクセス機会を提供できます。最も有能な暗号通貨は、Daiのような公平でグローバルかつ力づけてくれる、信頼されたステーブルコインです。

Daiの導入が増えるにつれて増す有用性 

暗号通貨は、法定通貨の問題に取り組むインターネットの真の可能性を象徴しています。今日、最も有能な取引の形は、経済的地位に関係なくどこにいても個人間で直接、低コストでできる資金移動です。Daiの導入が増えるにつれ、暗号通貨の総合的価値はより確かなものになっていき、さらに多くの人がその利点と有用性を実感するでしょう。

次回の「暗号通貨へようこそ」は、様々な種類の暗号通貨トークンについて」です。

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March 6, 2020