イーサリアム・スマートコントラクトがDai、MakerプロトコルそしてDeFiの原動力になっている仕組み

2020年9月24日

スマートコントラクトとは、ブロックチェーン・プラットフォーム上で稼働しているソフトウェア・コードに書かれたオペレーションです。実行の確認に第三者が必要なく、コード化されたプロセスは、特定の条件が満たされると自動的に実行されます。イーサリアムのスマートコントラクトは、DaiおよびMakerプロトコルを含む、イーサリアム・ブロックチェーン上で稼働している全ての分散型トークン、アプリケーション、およびプロトコルの基盤になっています。

端的に言えば、スマートコントラクトは分散型金融(DeFi)に不可欠であり、スマートコントラクトによってMakerDAOは分散的な方法で運営ができています。スマートコントラクトが、プロトコル、分散型金融(DeFi)領域で最も利用されている暗号通貨であるDaiステーブルコイン、Daiが発行されるMaker Vault、およびMakerDAOのコミュニティ基盤のガバナンスを動かしています。また、非代替可能トークン(NFT)も、スマートコントラクトによって作成されます。NFTは、Makerエコシステムで重要な役割を果たす唯一無二の資産であり、現実世界の資産を担保として利用するための架け橋も提供しています。

スマートコントラクトは、透明性および信頼性が高くトラストレスで、グローバル経済の将来を形作るのに重要なものです。

イーサリアム・スマートコントラクトの裏側には何がある?

Eメールやソーシャルネットワークなど、従来のウェブサービスを利用する際に、ユーザーがアクセスするソフトウェアは、中央集権型のウェブサーバー上で稼働しています。ユーザーは、このようなサービスを提供する企業が、サービスを稼働し続けることを信頼しなければなりませんが、このようなサービスはシステム停止、干渉、およびハッキングの影響を受けやすくなっています。しかし、ブロックチェーン上の分散型アプリケーション(dapp)を利用する場合は、大きく異なっています。いかなる人や組織も信頼する必要がありません。

スマートコントラクトは、プログラムされたとおりに動きます。そのため、監視が必要ありません。コードが、干渉および単一障害点(システム全体の故障を引き起こすかもしれない、一部のシステムの崩壊)を防いでる点に信頼が置かれています。

そのため、スマートコントラクトのコードは、2019年のMakerプロトコルでの複数担保型Dai(MCD)ローンチ時のセキュリティおよび検証作業のような、厳格なセキュリティ監査を受けるべきです。このようなレビューは、特にデジタル通貨および金融システムにとって必要不可欠です。

ERC-20トークン・コントラクト

イーサリアム・プラットフォームでは、トークンを表し管理するためのスマートコントラクトもあります。例えば、Daiトークン・コントラクトは、Daiの対外的な残高の会計を管理し、送付を承認します。イーサリアム上の他のトークンと同様に、DaiはERC-20と呼ばれる、広く受け入れられている規格に沿って作られました。

ERC-20トークン規格には、トークンオペレーションの規定が含まれています。ERC-20によって構成可能インフラが実現し、他のプロジェクトとの相互運用も可能になります。言い換えれば、DaiはERC-20トークンなので、ERC-20規格に対応している、イーサリアム・ブロックチェーン上のdappsに、簡単に組み入れることができます。このように、Daiは構成可能な暗号通貨なのです。

さらに、ERC-20トークンは、担保資産としてMakerプロトコルへ追加できるため(Makerガバナンスが承認した場合)、Daiを発行するためにある資産が預けられているスマートコントラクトは、他の資産を預けるためのオープンソースのテンプレートとして利用することもできます。これは、コントラクト・アダプター・コードを通して行われます。

Ethereum smart contracts enable the creation of NFTs, including those used in blockchain-enabled games.
ほぼ全ての担保タイプのスマートコントラクトを作り出すのに使用される、コントラクト・アダプター・コードの一部

ERC-721非代替性トークン(NFT)コントラクト

多くのトークンは分割可能ですが、非代替性トークン(NFT)はERC-721トークン規格に基づいており、個別のアイテムをデジタル的に表すために使用されています。例えば、 一点物の美術作品、トレーディングカード、およびビデオゲームの収集品などは全て、NFTで表すことができます。トークンの背後にあるスマートコントラクトによって、アイテムの売却およびトレードが効率的かつ安全になるだけでなく、その出所や所有権を証明することが可能になります。NFTは現在、トークンエコノミーの規模を拡大し、急成長させる要素となっています。

Ethereum smart contract adaptor code acts as a type of template to help create smart contracts for most collateral types.
DAInerys Vaultbornは、ブロックチェーン対応のゲームForgotten Artifactsで利用されているDaiブランドのNFTです。

NFTには価値があるので、Makerガバナンスで承認された場合、Makerプロトコルに担保タイプとして追加できない理由はありません。例えば、美術作品またはクラシックカーを、Daiを発行するための担保に使用することも可能です。

Makerガバナンスのスマートコントラクト

Makerガバナンスは、自治組織です。つまり、ガバナンストークンであるMKRを所有している人は、ガバナンス投票およびエグゼクティブ投票に参加し、Makerプロトコル、プロセス、およびDAOそのものに変更や追加を行えます。重要なことに、投票プロセスはスマートコントラクトに書かれています。

個々のMKR有権者は、投票コントラクトを利用します。彼らの決定は、透明性の観点からブロックチェーン上に永久に記録されます。投票コントラクトが投票を集め、集められた投票は、各ユーザーが投票コントラクトにデプロイしたMKRトークンの数に比例して計測されます。つまり、保有しているMKRが多い人ほど、影響力があります。その後、投票コントラクトは、トラストレスな方法で投票結果を処理および記録します。

次に、別のスマートコントラクトが作成され、投票者が承認した変更が実装されます。現在、Maker Foundationのスマートコントラクト・チームのメンバーが、このようなコントラクトを作成しており、このようなコントラクトは「spell」と呼ばれています。 Makerガバナンスが完全な分散化に向かうにつれて、spellのプロセスを自動化し、単一障害点を取り除くことを目標としています。

スマートコントラクトによって稼働されているガバナンスプロセスにより、MakerDAOは自律分散型組織として機能できています。

イーサリアム・スマートコントラクト:Dai、MakerプロトコルおよびDeFiの支柱

イーサリアム・スマートコントラクトは、分散型トークン、dappおよびプロトコルを稼働する自動発動型合意です。Daiの発行からガバナンスに至るまで、スマートコントラクトが、MakerDAOの全ての主要要素を支え、DeFiの燃料になる一連の強固な金融ツールを提供しています。 スマートコントラクトのおかげで、誰でもDaiを発行でき、透明性、安全性、および効率性の基礎的な恩恵を享受することができます。

Maker Foundationは教育的かつ有益なコンテンツをMakerブログおよびソーシャルメディア・チャンネルで公開しています。MakerDAOフォーラムは、草の根コミュニティの資料および活動の主なハブであり、MakerプロトコルおよびMakerガバナンスに関する詳細なディスカッションの出発点です。

2020年9月24日