Dai Statsガイド

2020年4月23日

【Makerブログのご利用にあたってのご注意事項】
当ブログに掲載されている事項は、MakerおよびDaiに関する一般的な情報の提供のみを目的として作成したものであり、特定の商品又はサービスの勧誘や推奨等を目的としたものではありません。

Makerプロトコルは複雑なシステムで、多数の変動要素や目的があります。Makerの人気のステーブルコインDaiを利用すれば、誰もがその恩恵を受けることができます。ブロックチェーンが透明であるということは、ユーザーが見つけてくれるのをただひたすら待っているデータがたくさんあることを意味しています。

このようなデータを全て一箇所で分析するには、Makerのスマートコントラクト責任者マリアノ・コンティが独自に作成したdaistats.com以上の資料はないでしょう。コンティがDaiの最重要指標を一つのページにまとめてくれたおかげで、 ユーザーはMakerプロトコルの健全性と活力に関する最も価値のある見解を提供するデータの詳細を、簡単に深く掘り下げられるようになりました。daistats.comの大部分は一目瞭然で分かりやすいですが、同時に、Makerおよび暗号通貨に特有の用語もたくさん出てきます。

以下のdaistats.comガイドでは、プロトコルの指標を一つ一つ解説し、それぞれの数字が示すより幅広い意味を探っていきます。

DaiStatsの概要

Total Daiとは、Daiの供給量全体、つまりユーザー、トレーダーおよび貯蓄者がシステム内で利用可能な流動性の合計です。またTotal Daiは、Makerプロトコルの健全性の指標でもあります。Makerエコシステムが勢いを増していくにつれて、Daiの普及が増加し、分散型金融(DeFi)ムーブメントでのDaiの価値を理解する人が増えていきます。


2020年4月9日の実際のDaistats.comスクリーンショット

Total Saiとは、まだ移行されずに流通している、Daiの第一世代である単数担保型Dai(SCD)の数です。こちらのブログ記事でも説明したように、まだSaiを保有している人なら誰でも、自身のSai資産をDaiに移行し、Dai貯蓄率などDaiが提供するあらゆるものを利用することができます。Dai + Saiとは、Daiエコシステム内のステーブルコイン総供給量です。

重要:4月6日、 コミュニティは、4月24日にエグゼクティブ投票を行い、SCDシステムのシャットダウンを開始することへの支持を示しました。 そのため、Sai保有者はこのことを考慮し、できる限り早急なDaiへの移行を検討すべきです。

存在しているDaiはすべて、以下の4つソースのうちのどれか一つから生成されています。

  • Dai from ETHMaker Vaultに預けられた最も人気の担保形態。
  • Dai from BAT:2019年11月の複数担保型Dai(MCD)ローンチ時に伴い提供された担保タイプ。
  • Dai from Migration Contract:もう使用されていない、Daiに移行したSai。
  • Dai from USDC:2020年3月のMakerガバナンスで追加された新しい担保形態。USDコイン(USDC)とは、1ドルとペッグされているステーブルコインで、規制された金融機関の準備金の米ドルによって裏付けられています。


Daiの4つのソース(2020年4月9日の数字)

これらのソースに加え、システム債務があります。システム債務とは、担保不足により清算されたVaultから回収されることが予測されているDaiのことです。Daiの回収は担保オークションを通じて行われます。担保オークションはVaultの清算が始まり次第すぐ行われますが、完了までに約6.5日かかります。システム債務は48時間以上経過しているべきではありません。

ETH Locked (in ETH)では、どのくらいのイーサがDai発行に使われているかを示しています。ETHは最も利用されている担保タイプであり、Makerはロックされている総価値で見るとDeFiプロトコル内最大であるので、これはDeFi分野全体の大きさや成長にを表すのに適正な代用指数です。ETH Ceiling (in Dai)とは、システム上で担保のETHに対して発行することのできるDaiの最大量のことです。ETH Stability Feeとは、VaultでETHを担保に発行されたDaiに継続的に発生する、変動レート制の手数料です。


DeFi pulseのMakerの重要な統計データ (2020年4月9日)

ETHを担保にしたVaultに言えることは、BATおよびUSDCを担保にしたVaultにも当てはまります。BAT Locked (in BAT)BAT Ceiling (in Dai) はそれぞれ、現在どのくらいのBATが担保として使用されているか、担保のBATに対して発行できるDaiの最大量を示しています。BAT Stability Feeとは、VaultでBATを担保に発行されたDaiに継続的に発生する、変動レート制の手数料です。USDC Locked (in USDC)USDC Ceiling (in Dai)およびUSDC Stability Feeでは、USDCの同様のデータを提供しています。


2020年4月23日の実際のDaistats.comスクリーンショット

Dai (ERC20) Supplyとは、自由に流通しているDai、つまりVaultやDSRにロックされていないDaiの量です。これは、ウォレットの中や取引所などで保有されているDaiのことです。

Collateralization Ratioとは、システムが承認した担保(現在はETH、BATおよびUSDC)を担保として発行されたDaiの量に対する、担保総額の比率です。ユーザーは、Makerガバナンスで規定された最小比率である担保比率150%を維持しなければなりませんが、ほとんどのユーザーはそれよりもはるかに高い比率を維持しています。担保比率が150%を下回ったVaultは清算されてオークションにかけられ、未払いのDaiを賄う試みが行われます。

DAI Price, ETH Price, BAT Price, and MKR Priceは、それぞれのトークンの現在の平均価格を反映しています。価格はそれぞれ、複数の情報源から情報を収集しているオラクル・セキュリティ・モジュールの分散型フィードから得ています。OSM(オラクル・セキュリティ・モジュール)では、価格情報が1時間遅延するように設定されているので、オラクルへの攻撃やその他のリスクからシステムを保護することができます。USDC価格は常に1米ドルと見なされているので、不変的オラクルが「1」と記録しています。

Dai in DSRとは、Dai貯蓄率(DSR)コントラクトにロックされているDai(絶対数と全体に占める割合で表示)およびそこから発生したDSRの総額です。DSRを利用することで、ユーザーは手数料なしで、Makerプロトコル内で保有するDaiからさらなるDaiを得ることができます。Pie in DSRとは、Dai貯蓄率の中核であり「Pot」と呼ばれている、Dai貯蓄率コントラクトに預けられているDaiの量のことです。 


Dai保有者が年利5%の貯蓄率に100Daiを預け入れたとすると、12ヶ月後には105Dai得ることができます。(注:ユーザー自身がDaiを管理し、いつでも自身のDaiを引き出すことができます)

Dai Savings Rateとは、DaiをDSRスマートコントラクトにロックすることで得られるDaiの変動率です。 MKRトークン保有者が分散型ガバナンスのプロセスを通じて投票を行い、DSRを設定します。Last Dripは、DSRにロックされたDaiの利益が最後に支払われたのはいつかを表しています。ドリップは頻繁に行われているので、ユーザーは自身のDaiが利益を生み出しているところを分単位で見ることができます!



2020年4月23日の実際のDaistats.comスクリーンショット

Debt Available to Heal (Dai)とは、縮小(heal)可能なシステム債務(上記参照)です。債務修復プロセスは、担保オークションが清算されたVaultの債務を賄いきれなかった時(担保の価格下落が急速すぎた、または担保を担保を買いたい人が誰もいなかったため)、規定どおりにキーパー(オークションに参加する人または自動化された参加者)によって行われます。債務をカバーするのに十分な余剰分がない場合には、債務オークションが引き起こされます。このアクションでは、プログラムが、MakerプロトコルのガバナンストークンであるMKRをロット単位で発行しDaiと引き換えにオークションにかけます。入札を通じて調達された資金は、未払いの不良債権を賄います。このオークションではMKRの総供給量を増やし、既存の所有者の手持ちのMKRを希薄します。

The Debt Bufferは、現在はMakerガバナンスで50,000に設定されていて、債務オークションが引き起こされるまでの猶予を与えています。システム債務が債務バッファを上回りシステム余剰がゼロに設定された場合には、債務オークションが引き起こされます。

System Surplus (Dai)とは、Vaultから徴収された安定化手数料や清算ペナルティを含む、システム手数料から発生したDaiのことです。清算ペナルティはMakerガバナンスによって設定され、現在は清算時にVaultが保有する総担保の13%に相当します。

The Surplus Bufferとは、万が一の事態に備えて保有されているDaiのことです。余剰バッファが500,000を超えると、10,000単位のロットでDaiがオークションにかけられます。これらのオークションで得た資金を使って、MKRを購入およびバーンします。余剰バッファが51万ドルに達した場合、Vowと呼ばれるシステム・コントラクトに「heal」のトランザクションを送ることで、誰でもオークションを始めることができます。

The Dai Surplus (Flap) Auctions数とは、これまでに行われた余剰オークションの数です。余剰オークションは10,000Dai単位のロットで行われるため、Till next Flap Possibleでは、Daiが10,000に達し次のオークション、つまり「Flap」に至るまでには、あとどのくらいのDaiが必要かを示しています。

Vaults Openedでは、現在承認されているすべての担保タイプに裏付けられているDaiを発行するために、今までに作成されたVaultの数を示しています。


Maker Vaultを維持する3つのステップ

BAT Vault AuctionsおよびETH Vault Auctions はそれぞれ、複数担保型Daiのローンチ以来、(上記のとおり清算によって)行われたオークションの数を表しています。

MKR Supplyとは、現在存在しているMKRの総量です。MKR in Burnerとは、現在バーンされる準備ができているMKRの総量です。少額の取引手数料であれば、誰でもMetaMaskウォレットを利用して、直接daistats.comからMKRをバーンできます。バーンすることでMKRの数が減り、理論的には市場の長期的な需要が増加します。これによってコミュニティはMKRを保有するように促され、そのMKRを使って投票し、プロトコルの分散型ガバナンスを維持できると期待しています。

Annual MKR Burn Rateとは、1年間にバーンされるであろうMKRの推定量です。その下に書いてある相当する米ドルの総額は、MKRの現在の価格、安定化手数料および存在しているDaiの総量に基づいています。もちろん、これらの数字は常に変化しているので、Annual Burn Rateは現在の状況の一瞬を切り取ったものでしかありません。

Total Chai Chaiとはコミュニティが作成したDaiのラッパーで、これによってDai保有者は自身のDaiでDSRを得るのと同時に、そのDaiを使用することができます。Chaiスマートコントラクトでは、ユーザーのDaiをDSRにロックし、その代わりにChaiトークンを提供します。Chaiは自由に移動およびトレードが可能で、いつでもDaiに(そして発生した利益すべても)交換することができます。Dai brewingとは、追加のDaiが発生している、Chaiに交換されたDaiのことです。

例えば、あるユーザーが100DaiをChaiと交換したとします。1Chaiは1Daiに相当し、DSRは8%だとします。ユーザーは、Daiが「brew」のプロセスでDSRに基づいてDaiが発生している間に、100Chaiを受け取ります。1年後、ユーザーはChaiコントラクトで、合計108Daiを所有していることになります。そうすると、1Chaiが1.08米ドルに相当していることになります。

Dai in Uniswapは、人気の分散型暗号通貨トレードプラットフォームのUniswapで交換可能なDaiの量です。

最後に、ページ下部のDai、BAT、 USDCそしてMKRの下にある長い数字の羅列は、Makerエコシステムの5つの主要なトークンのうち4つのブロックチェーン上でのそれぞれのコントラクト・アドレスです。5つ目の主要トークンETHは、イーサリアムのネイティブ・トークンであるため、コントラクト・アドレスがありません。コントラクトには、ブロックチェーン上のトランザクションのルールが含まれていて、コントラクト・アドレスはコントラクトが存在している場所です。


Makerエコシステムの5つの主要なトークンのうち4つのブロックチェーン上でのコントラクト・アドレス

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このDai statsへのガイドを読んだ方は、Maker Foundationが作成したユーザーインターフェースであるOasis.appを利用してみてください。Oasisを利用すれば、Daiの発行、持っているDaiでのDSR獲得、およびトークンのトレードがすべて一箇所で行えます。

2020年4月23日