MakerDAOの知られざる事実

February 22, 2021

MakerプロトコルおよびDaiは、現在繁栄を続けるDeFi情勢における重要な構成要素となっており、インターネットに接続している全ての人へ、分散型かつプログラム可能なステーブルコインを提供しています。しかし、DeFiムーブメントが生じるずっと前から、オンライン記事およびディスカッションにて、MakerDAOの礎が構築されていました。

2014年後半から2017年にかけてMakerDAOが形成されていく中で、開発サイクルが何度も反復されてきました。Maker発展に関する興味深い過程の多くが公に記録されていますが、このような記録は暗号通貨フォーラムのアーカイブや、SNSプラットフォームにしか残っていないため、特にDeFi初心者の間では、周知されていない可能性があります。

MakerDAO史の興味深い事実

1. MakerDAOはBitShares上で作られたかもしれない

イーサリアムが存在していなかった2014年1、MakerDAO創設者たちは、BitSharesのコミュニティで活動しており、BitSharesプラットフォームでDaiの前身の可能性を探っていました。しかし結局BitSharesは、動的かつ継続的なガバナンス、ならびに中核となる緻密なリスク査定および管理を処理できる真に頑丈なシステムに必要な、精巧さを欠いているという、障害に直面してしまいました。

2. Makerのステーブルコインにはいくつかの名前があった

プロジェクト開始時のMakerコミュニティのメンバーは、名前の候補をいくつか挙げ、その利点について議論していました。初期の最有力候補に、中国語で「交換」を意味する「Jiao」がありました。史上初の紙幣である「交子(Jiaozi)」2という別の中国語の一形態であることを理由に、Jiaoが候補に挙がりました。しかし、Jiaoは性交も意味していることから、即座に却下されました

最終的には、様々な理由から「Dai」の名前が選ばれました3。 

  • 短いため短縮せずともシンボルとして利用できる
  • コンピュータ技術者Wei Dai氏が暗号通貨の概念を発明し、業界に大きく貢献した
  • 多くのスラヴ系言語では、Daiは「与えること」を意味している
  • 「ダイ」は「ダイアモンド」の第一音節

単数担保型Daiのロゴデザインは、硬さや安定性を連想させるダイアモンドという言葉から発想を得ています。

ダイアモンド型のSCDの最初のロゴは、2019年に現在Daiに利用されている丸型のロゴに変更されています。

3. 最初期のDai開発はイーサリアム・メインネットよりも先に行われた

Daiステーブルコインの一番最初のプロトタイプは、2015年3月に発表されました4。Daiは、イーサリアム・メインネットのローンチに先立って開発されていただけでなく、イーサリアム公開テストネットの正式リリースより、2ヶ月も前にコーディングされています。イーサリアムの共同創設者Vitalik Buterin氏を初め、著名なイーサリアム・コミュニティメンバーからコメントが寄せられていたRedditの投稿にて、Rune Christensenは、プロトタイプ・デザインの説明、コントラクトのコード、さらにはコードを使用した試作版フロントエンド、それぞれへのリンクを提示しました。

4. Makerコミュニティは、現在のイーサリアム・ネットワークの初期サポーターだった

MakerDAOおよびDigixDAO(金などの物理的資産をトークン化および管理するプロジェクト)は、2016年のフォーク5以前、イーサリアム・ネットワークのサポート集結に尽力していました。最終的にネットワーク分裂に繋がった、悪名高いDAOのハッキングを受け、コミュニティ議論が白熱していく中、MakerDAOおよびDigixDAOが共同で強力なサポートを提供したことは、今日多くの人が利用しているイーサリアム・ネットワークを前進させるための、決然とした方法を示す手助けになりました。  

5. MakerDAOの独特なコーディング用語は慎重に検討された

2018年2月に発表されたMakerDAOのパープルペーパーでは、開発者がDaiのコーディングで使用した、独自の専門用語が解説されています。金融業界で使用されている用語の性質に関する議論を避け、コードをより簡潔にすることを目的として、このような用語が使用されています6。 

MakerDAOの独自のコード用語は、システムを明確かつ簡潔に表せるように設計されています。

6. Makerプロトコルは、初めて形式的検証が実施されたdappである

数学モデルを利用しソフトウェアの信頼性を証明(または反証)する形式的検証は、コードテストの絶対的基準と考えられています。2018年9月、Makerプロトコルは、初めて形式的検証が実施された主要dappとなりました。誰でもコードの検証が行えるようにインストラクションが提供されているため、透明性が保証されており、Makerの技術に対するコミュニティの信頼が築かれています。

初期から活発なコミュニティ参加

MakerDAOのローンチ以来、Makerコミュニティは、プロジェクトへ深く関与し、貢献してきました。2015年初頭からコミュニティコールが行われ7、過去5年間、毎週公開ガバナンス会議が開催されています。MakerDAOの公開コミュニティイベント・カレンダーで予定されているこのようなコールに交じることにより、誰でもプロジェクトをさらに探究し、Makerガバナンスに参加することができます。

www.MakerDAO.comで、MakerプロトコルおよびDaiについて学んでみましょう。

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February 22, 2021