新しいブロックチェーンアプリはどのようにDeFiを使いやすくしているのか
July 2, 2021
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分散型かつボーダレスで構成可能であり、米ドルにペッグされている暗号通貨Daiには、多数の利点と様々なユースケースがあります。 世界中の人々がDaiステーブルコインを発行または購入し、国際送付およびインフレからの保護から、eコマースならびに最新のDeFiプロダクトおよびサービスへのアクセス手段に至るまで、あらゆることに利用しています。
Daiの多機能性により、MakerDAOは「キャズム (溝)乗り越え」の道のりを大幅に進んでいるブロックチェーン・プロジェクトとなりました。つまり、MakerDAOは、暗号通貨コミュニティの内外両方で、有意義かつ実質的な普及を目の当たりにしています。執筆時点では、約10億Daiが発行され、多様な方法で利用されています。以下がDaiが利用されている5つの主な分野です。
初期の暗号通貨利用者の多くにとって、自身の国で経験した経済的混乱が、このテクノロジー探索のきっかけでした。通貨が安定していて魅力的な国もありますが、そのような通貨へのアクセスは、必ずしも簡単ではありません。しかしDaiに関しては、誰でも様々な取引所で購入、またはいくつかの暗号通貨を担保にして発行でき、世界中どこででも保有または送付が可能です。Daiは、ユーザーが発行できる分散型ステーブルコインであり、中央集権的な発行元も管理者も存在しません。ユーザーは、Metamaskなどのソフトウェア・ウォレットなどでDaiを保有している限り、自身の資産に完全な管理権を持ち続けられます。
Daiは、通貨のボラティリティが激しいラテンアメリカやその他の地域で、非常に人気になりました。実際、ハイパーインフレの懸念から、アルゼンチンでは、Daiの取引量がビットコインを超えて、最も人気な通過となりました。8月半ば時点では、アルゼンチンの12ヶ月間のインフレ率は40%を超えています1。Daiは、ブラジル、コロンビアおよびベネズエラといった、経済苦境に陥った国でも人気を博しています。
Daiはアルゼンチンで最も利用されている暗号通貨です。
Daiは、DeFi分野で最も利用されている暗号通貨であり、ステーブルコインがDeFiの発展および活力には不可欠であることを理解せずして、Daiのユースケースについて議論することはできません。
Daiは、その構成可能性により、ほぼ全てのイーサリアム・プラットフォーム上のDeFiアプリケーション(dapp)に統合できます。Dappを活用することで、インターネットに繋がったデバイスを持っている人は誰でも、今までは仲介者を介してでしか利用できなかったような金融商品や金融サービスにアクセスできるようになります。最も人気のdappには、ピア・ツー・ピアの金利プロトコル(一般的にはレンディング・プロトコル)、および仲介者なしでピア・ツー・ピアのデジタル資産のトレードができるソフトウェアプラットフォームである分散型取引所などがあります。 DeFiが発展するにつれて、現在使用されているdappもこれから開発されていくdappも、大きくDaiに頼ることになるでしょう。
Makerエコシステムには、Makerコミュニティのメンバーが開発したDeFi dappがあります。
多くのゲーマーは、デジタル「通貨」のコンセプトに馴染みがあります。デジタル「通貨」とは、高度に洗練されたゲーム内経済で円滑にトレードされている、価値のあるアイテムやコレクタブルのことです。しかし、このような経済圏内でのトレードはスムーズに行われている一方で、資産をシステム外へ移動させたい場合、ゲーマーの居住地や銀行の手配状況によっては、遅れが生じコストがかかる場合があります。
国境がなく、世界中誰でも迅速に送付および貯蓄が可能なDaiは、ゲーム世界にとって理想的なトークンです。中央集権型のゲーム通貨と異なり、Daiの価値を切り下げる、または広範囲での利用を中断できる組織はありません。Daiは、Daiを保有する人だけが管理できる、安定した価値尺度です。
DaiはAxie Infinity、 Forgotten Artifactsおよび Marble Cardsなどの、たくさんの人気のゲームに統合されています。
Axieのデジタルペットの世界では、プレーヤーはDai統合のメリットを享受できます。
非常に刺激的なDaiの新しいユースケースが、デジタルアートの支払いです。ブロックチェーン技術を採用し、非代替性トークン(NFT)と呼ばれる、唯一無二で限定的なブロックチェーン資産を使用することで、オリジナルの単発およびシリーズ作品を表現するデジタルアーティストが増えてきています。
一般的なデジタル画像は無限にコピーされてしまいますが、NFTは唯一無二であり、出所および所有権が証明できます。アーティストおよびコレクターによる、本物の作品のオークションでの販売、譲渡、および二次市場での販売が、全てセキュリティが提供されているブロックチェーン上で行えます。
NFTによって、真に独創的なアプリケーションも可能になります。例えば、Async.artのプログラム可能なレイヤー状になった作品では、バイヤーが作品の見た目に影響を与えることができます。Asyncは先日、最初のオークションをDaiで行いました。
Daiは、以下のような他の人気のアートプラットフォームにも組み込まれています。
アーティストOlive Allenの「Cruel Summer Bears」は、OpenSeaでDaiでのみ販売
eコマースは、AmazonやeBay初期から大きな発展を遂げましたが、この業界には効率的なグローバル決済プロセスがまだありません。しかし、暗号通貨はこの状況を変えています。2019年には、推定40億ドルに相当するビットコインが決済業者を通じて支払われ2、今日ではDaiが店舗に対して一連の独自の恩恵を提供しています。例えば、Daiに対応したい店舗のオーナーは、チャージバックやボラティリティ、または決済業者への手数料を心配することなく、簡単にDai決済を行えます。
Coinbase Commerceが2018年上旬にローンチされ3、これにより企業は、ShopifyやWooCommerceとの統合を介して、簡単にDaiおよびその他の暗号通貨決済に対応できるようになり、8,000の店舗がDai決済に対応しています。さらに、VisaやMastercardのネットワークとリンクしているDai対応デビットカードを使用すれば、オンラインでも実店舗でもDaiを利用することが可能です。
Daiはこれからもブロックチェーン分野、および現実世界の両方で刺激的なユースケースを開拓し、ユーザーの生活に有意義な変化をもたらしていくでしょう。分散型で国境がなく透明なDaiの性質により、コミュニティが探索すべき新しいプロダクトおよびサービスの開発が促進され、より広範囲のMakerエコシステムの価値が高まり、その過程でMakerプロトコルの世界中での普及がさらに推進されていきます。
Makerエコシステムで、たくさんのアプリケーションおよびユースケースを探してみてください!