DeFiコミュニティの学習・関与方法
July 7, 2021
2020年の目を見張るようなDeFi分野の発展と並行して、非代替性トークン(NFT)への関心が高まっており、新たな表現方法を発見し、新規市場へ参入するアーティストが増えてきています。2021年もこの熱狂は継続し、暗号通貨およびブロックチェーンの利点に気づくクリエーターが増加するでしょう。
Daiはこの興味深いムーブメントに一役買っており、NFTデジタルアートおよびカルチャー市場で好んで利用される通貨であり続けています。安定性があり構成可能な分散型ステーブルコインは、普遍的かつ価値が安定した暗号通貨である上に、発展し続けているイーサリアム経済へのアクセスを提供しているため、デジタルアート分野に最適な暗号通貨トークンです。
「クリエーター、とりわけデジタルアーティストは、自身の思考を拡大し、コレクターおよびコミュニティに直接アクセスするための、新たなweb3ツールを探しています。アーティストおよびクリエイティブな業界にいる人が、ブロックチェーン上で作品を制作、トレードおよび販売する際に、ステーブルコインおよびNFT技術を受け入れているところを見続けることができるのは、非常に嬉しいです。」と、Maker Foundationのビジネス開発アソシエイト、 Jen Senhajiは、言いました。
彼らはアート作品を販売しています。
昨年12月、NFTアート作品の販売額は過去最高に達し、11月の260万ドルを超えて、820万ドルに至りました1。デジタルアート・コミュニティが、アート市場を席巻する機が熟しました。
Sarah氏は、LA拠点のライターおよびアーティストです。デジタルアートおよびNFTイノベーションの可能性に気づくまでは、従来のアート分野で輝かしいキャリアを築いていました。彼女の作品では、ユーモア、サイケデリック文化、神秘主義、ならびに現代および古びたテクノロジーの相互作用が追求されています2。彼女はまた、xDaiで作品への支払いを受け付けていたこともあります。
「分散型ステーブルコインには、アート市場で重要な役割を果たすであろう潜在的可能性があります。暗号資産アートの成功事例が、アーティスト、コレクターおよびプラットフォームなどの利益となるよう、評価を管理する方法としてどのようにステーブルコインを取り入れていくか、楽しみにしています。」
—デジタルアーティスト、Sarah Zucker
Sarah Zucker氏の作品は、自画像を含むマンガやアニメから抽象画にまで及びます。
Snark.Artとは、ブロックチェーン・アートの創造的および商業的可能性探求に特化した技術研究所であり、協業しているアーティストのNFT作成および作品のマーケティングをサポートしています3。Snark.Artは、2020年末に初めてステーブルコイン対応を開始し、OpenSea市場にてステーブルコインで作品を販売しました。
Snark.Artの共同創設者Misha Libman氏は、Snark.Artというプラットフォームの名前はルイス・キャロルの「スナーク狩り(The Hunting of the Snark)」にインスパイアされたと言います。スナーク狩りは、到達困難または不可能な目標を追うことの比喩、つまりSnark.Artの場合、強力だがアーティストにとっては時に理解し難いブロックチェーンの魅力を追うことの比喩を表しています。
「ステーブルコインを利用すれば、アーティストは、自身の作品にETHやBTCのような価格変動の激しい通貨で値段をつける時に経験する不確実性を避けながら、ブロックチェーンを使った実験を行うことができます。」
—Snark.Artの共同創設者Misha Libman
Trygve Skogrand氏の「Indoor Explorer」は、Snark.ArtがDaiで販売した最初の作品です。
昨年の11月、2年おきに開催される主要なパブリックアート展覧会「Vancouver Biennale」が、バーチャルアートおよびテクノロジー博覧館「#ArtProject2020」を主催し、アート業界に衝撃を与える最新テクノロジーを紹介しました。Jessica Angel氏というアーティストによって企画されたこのイベントにて、DaiおよびNFTが、暗号通貨ユーザーでないオーディエンス向けて紹介されました。
「アートとは、異なるように思える世界を繋ぐ力を持った原動力であり、#ArtProject2020では、暗号通貨金融およびブロックチェーン上での創造物が、共に共通の目標に向かって前進できると証明されました。」
—#ArtProject2020創設者、Jessica Angel
Cargo.buildでは、プラットフォーム上でNFTの発行、まとめ、管理および販売を可能にすることにより、アーティストがデジタルアート領域へ参入する際の障壁を引き下げています。
「Daiは、Cargoプラットフォームにステーブルコインを追加する際の、第一候補でした。私たちは、クリエーターおよびコレクターに、NFTをステーブルコインで購入するという選択肢を与えたかったです。」
—Cargo.buildの共同創設者、Sean Papanikolas
アーティストrussdの「Mystic Hills」が、Cargo市場で販売されています。
Cargo.buildのクリエーターは、所有者のみがロックを解除できるようにすることにより、コレクタブル(収集物)内のコンテンツのセキュリティを保つことも可能です。例えば、動画作品Ziggy's Moveでは、所有者のみがロックを解除し、高画質な原画像を見ることができます。
Bryan Brinkman氏とは、Saturday Night Live、Jimmy Fallon氏が司会を務めるThe Tonight Show、およびその他の著名番組でも功績を残しているアニメーターおよび視覚アーティストです4。彼は長年、デジタル画像を様々な物理的アートに変容させてきましたが、巨額の展示手数料、およびその他の支出に悩まされてきました。Bryan氏は、デジタルアート・ムーブメントの中で、NFTならびに熱意ある暗号通貨アーティストおよびコレクターのコミュニティについて学び、価格変動幅の大きい暗号通貨オプションや、従来のアート販売方法に代わる、ステーブルコイン決済の魅力に気づきました。彼は、Raribleの作品の支払いをDaiで受け付けています。
「ステーブルコインを利用すれば、コレクターはアート作品を見て、その作品の価値をすぐに理解することができます。ETHでは価格が大きく変動するため、USDと比較していくらで販売されているか、少し理解しづらいです。暗号通貨に親しくない人にとって、この計算は混乱を引き起こすかもしれません。」
—漫画家兼視覚効果アーティスト、Bryan Brinkman
「Mandala」は、Raribleでリリースされた、BrinkmanのNFT第一版です。
スイスのThe Kate Vass Galerie(KVG)は、アートおよびテクノロジーの中間に位置し、伝統的なアートおよびデジタルアートを繋げることをミッションに掲げています5。KVGのギャラリーでは、チューリッヒにある現物作品を展示し、デジタル展示会で、オンラインの訪問客を迎えています。KVGは、アート業界での男女平等促進を目的とし、#WomenSupportingWomenというプロジェクトを、2020年11月のVancouver Biennaleで実施しました。このプロジェクトでは、暗号通貨で寄付を受け付けていました。
「#WomenSupportingWomenをサポートするための手段を提供するにあたり、DaiはDeFi分野で重要な役割を果たしていると思いました。Daiは、多様化のための素晴らしい方法として機能し、暗号通貨のボラティリティ回避に役立ちます。」
—Kate Vass Galerieギャラリー担当、Alessia Realis Luc
Art Blocksは、デジタル画像およびNFT制作に対して独自のアプローチをとっている、興味深いプロジェクトです。Art Blocksでは、ブロックチェーン上でプログラム可能な「ジェネレーティブ・アート(Generative Art)6を提供しています。アーティストが作品を作りますが、その作品は、ランダムな画像を生み出すアルゴリズムのスタイルシードとして利用され、購入者はそのランダムな画像を受け取ります。つまり、コレクターは特定のスタイルを購入し、アルゴリズムがそのシード作品にランダムな要素を加えた結果、全く新しい作品が暗号化され、NFTとして購入者のMetamaskウォレットに送付されます。コレクターは、作品が最終的にはどのようになるか、全く分かりません。他のプラットフォームと同様に、Art Blocksでは、ボラティリティの低さを理由に、ステーブルコインを受け付けています。
「Art Blockの作品をステーブルコインで提供することにより、参入障壁が引き下げられます。暗号通貨アートコミュニティは、より伝統的なアーティスト、特にジェネレーティブ・アート界の巨匠たちが『遊びに』やって来ること、そして私たちがブロックチェーン世界で経験しているたくさんのアートに貢献してくれることにより、大きな恩恵を受けるでしょう。」
—Art Blocks創設者、Erick(別名:Snowfro)
ムスリムの数学アーティスト兼アピーログラファーを自称するDaïm Aggott-Hönsch7氏は、Art BlocksでDaiを受け付けた最初のジェネレーティブ・アーティストでした。アピーログラフィー(Apeirography)とは、数学的実在、法則および関係を、美的でありながら正確に具現化するアートのことを指します。
Art Blocksで販売されているAggott-Hönsch氏のCryptoblotsシリーズ8では、ランダムなパターンの中で見慣れた画像を探してしまうという人間心理の傾向、パレイドリアが探求されています。Daïm氏は、彼とDaiの間にパレイドリア的繋がりがあるのは、一部にはDaiという通貨名が彼の名前に似ているからだと、考えています。
#296を含むDaïm氏のCryptoblotsシリーズは、ローシャッハテストの「アルゴリズム的オマージュ」です。
アートおよび様々な目的を持つ寄付への支払い方法として、ステーブルコインを採用するアーティストおよびプラットフォームが増加することにより、ステーブルコインは、デジタルアート・ムーブメントの通貨として、その地位が確立されます。価格変動幅の大きい暗号通貨に比べ、安定したデジタルトークンが価値を付与する際に提供している利便性は、クリエーターにとって大きな魅力です。
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