MakerDAOのさらなる分散化へ向けた13の最初のMaker改善提案

April 13, 2020

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2020年4月6日、Maker FoundationはMakerフォーラムにて13の最初のMaker改善提案(Maker Improvement Proposal; MIP)をMakerコミュニティに発表しました。MIPにはMIP0と二つのMIPセットがあります。(二つのセットのうち一つは中核的ガバナンスに、もう一つは担保の追加に焦点を当てています。)

先日のブログ記事完全な分散化後Makerガバナンスはどうなるのか? で述べたように、MIPでは重要な問題を明確にするため、およびシステムへの変更と追加事項を提案するためのメカニズムを、全てのコミュニティメンバーに提供します。

MIPは、現在のMakerガバナンスプロセスの進化に欠かせないものであり、そのため、一切の曖昧さを避けるために厳密に構造化および形式化されなければなりません。Foundationが議論のきっかけを作り最初のMIPの草案を作成する間に、コミュニティはそれに競合するMIPを提案することができます。最終決定はMKR有権者によって下されます。MIPの目的は、これから将来にわたって必要と状況に応じて、明確で透明なフレームワークを提供し、それによってMakerガバナンスのプロトコルへの適応とプロトコルの進化を可能にすることです。

コミュニティと全てのステークホルダーに改善案、仕様案およびプロセスの提案を行うための標準的アプローチならびに状態の変化を提供することで、有機的成長が可能になりMakerDAOの自立が近づいてきます。

13の最初のMIP

MIP0とは、コア構成要素とコアステータス、様々なタイプ、および全体的なライフサイクルなどのMIPの全体的なフレームワークを示した基本的な提案です。MIP0はまた、MIPテンプレートやMIP置換テンプレート、それらが依拠する所などの必要なツールも提供します。最後に、MIP0はフレームワークの重要な役割であるMIPエディターやガバナンス・ファシリテーター、ならびにそれらを追加および解任するプロセスを詳細に述べています。

第一のMIPセットは、エグゼクティブ投票を行う方法など重要なガバナンス構造を決定する、長期のガバナンス・プロセスの基盤である中核的ガバナンスのフレームワークです。現在の週単位のガバナンス・サイクルに加えて、新しいより長期のプロセスである月単位のガバナンス・サイクルの提案が第一のMIPセットに含まれています。この月単位のサイクルは、どのような決定が行われているかについてのよりアクセスしやすい概要をコミュニティに提供しているだけでなく、より効率的な意思決定ができるように最適化されています。

第二のMIPセットは、担保追加のフレームワークです。このフレームワークでは、コミュニティが作成した担保追加ドキュメントに基づいており、ガバナンス・サイクルや既存のドメインチームと相互運用している、拡張可能な担保追加に関する徹底したフレームワークを提供しています。ドメインチームは、重要なプロセスを監督しリスクを軽減する、特別な権限がガバナンスを通して与えられている人々で構成されています。

セットのMIPは個別ではなくまとめて投票されます。

Maker Foundationとコミュニティのメンバーは、長期間にわたってMIPの提示を継続していき、Makerプロトコルの将来のニーズと状況に応じるために、Foundationもコミュニティもそれぞれガバナンスが再検討を行い、柔軟性が最大であることを確実にしていきます。

MIPプロセスに関わる人々

MIPプロセスでは、以下の役割が重要になります。

  • MIPエディター:MIPプロセスとフレームワーク全体の管理および編集面を実行。コミュニティがMaker Foundationから暫定エディターを選出し、その後他のエディターが選出される予定です。
  • MIP筆者:MIPのライターまたは提案者。
  • ガバナンス・ファシリテーター:ガバナンス・ファシリテーターには、Makerガバナンス・プロセスの円滑なオペレーションを確実にする任務が課されています。彼らの責任範囲は、一般的な管理業務からシグナル収集、ガバナンスのスケジューリングまで多岐に渡ります。
  • ミュニティ:MakerDAOコミュニティ・メンバーまたはMKR有権者。コミュニティ・メンバーなら誰でもMIPを提出でき、MKR有権者なら誰でもMIPに投票できます。

このような役割は比較的固定されたままであることが予想されているとはいえ、様々な個々のステークホルダーまたはグループのみがこの役割を引き受けることができます。さらに、Makerガバナンスはいつでもこれらの役割の変更に対して投票ができます。

次の段階

最初の13のMIPをMakerフォーラムでぜひご覧ください。皆さんからののフィードバックをお待ちしております。レビューのプロセスへの参加を、全てのコミュニティ・メンバーに強くお願いしたいと思います。4月27日に、タイミング投票と呼ばれる特別なガバナンス投票が行われます。タイミング投票では、2つの選択肢がMakerガバナンス・コミュニティに提示されます。

  1. 提案された13のMIPの批准投票を即座に行う、または
  2. 批准を一ヶ月遅らせ、コミュニティが競合する提案を提出できるように一定期間を設ける。

タイミング投票の詳細はこちらのフォーラムの投稿に記載されています。追加情報は本日から4月27日までの間に提供されます。

Maker有権者であるまたはMaker有権者になることを考えている場合は、有権者オンボーディング・ガイドガバナンスとリスクの概要Awesome MakerDAOからご覧ください。

April 13, 2020