DeFiコミュニティの学習・関与方法
July 7, 2021
イーサリアム・ウォレットにはいくつかの種類があり、それぞれ特定の目的に沿うように設計されています。MetaMask(ブラウザベース)やCoinbaseウォレット・モバイルアプリ(Coinbase.comアプリとは異なる)のような暗号通貨「ホット」ウォレットは、常にウェブに接続されているため、ユーザーは即時かつ簡単にトランザクションを実行できます。LedgerやTrezorのような「コールド」ハードウェア・ウォレットは、使用する時のみインターネットに接続されています。コールドウォレットでは、秘密鍵は絶対にウェブに晒されないため、より高度なセキュリティが提供されていますが、使いやすさは劣っています。「スマートウォレット」とも呼ばれているスマートコントラクト・ウォレットは、真新しいものではありません。全ての取引所やDappでサポートされているわけではありませんが、従来のウォレットに勝る安全性、柔軟性および利便性を兼ね備えていることから、徐々に注目を集めています。
スマートウォレットとは、秘密鍵ではなくスマートコントラクトにより管理されているイーサリアム・ウォレットです。ユーザーは、マルチシグ・トランザクションや一日の送付限度額、緊急時のアカウント凍結に安全性なアカウントのリカバリーなど、高度な機能を利用できます。
スマート・ウォレットにある資金は、スマートコントラクト・コードを介してアクセスおよび管理されているため、ほぼ無制限の機能が利用でき、ユーザーは自身の資産に対して強い管理権を持つことが可能です。そのため、DeFiへの信頼が高まるでしょう。
イーサリアム・プラットフォームでは、秘密鍵またはシードフレーズを使用してアクセスできる外部アカウント(EOA; Externally Owned Account)、およびスマートコントラクトのコードにより管理されているコントラクト・アカウントの2種類がサポートされています1。今日のイーサリアム・ウォレットは、これらのどちらかを基盤としていますが、これらはイーサリアム2.0のローンチ時に、統合される予定です。
ほとんどのイーサリアム・ウォレットはEOAアカウントを管理しているため、機能に制限があります。しかしスマートウォレットでは、コントラクト・アカウントの機能を活用しているため、誰がどのような条件下で資金にアクセスできるのかなどを設定しているコード化されたインストラクションを基に、資金が管理されています。
秘密鍵への依存が断ち切れるだけでなく、スマートコントラクトの汎用性が高いことにより、スマートウォレットでは、多数のメリットがある新しい機能や、既存金融(TradFi; Traditional Financial)サービスアプリに似たユーザ体験の提供が可能です。異なる種類のスマートウォレットで提供されている機能には、以下のようなものがあります。
一般的な顧客が必要としている機能だけでなく、より高度なユーザーをターゲットとした機能を統合しているスマートウォレットもあります。
DeFiSaverのスマートウォレットでは、「既成のレシピ」を介した一括トランザクションが可能です。ユーザーはまた、独自のレシピを作成することにより、DeFiプロトコル内および異なるDeFiプロトコル間で効率的に資金を移動できます。
DeFiSaverの「レシピ」では、複雑なDeFiオペレーションにおけるトランザクションをひとまとめにできます。
DeFiSaverではまた、Maker Vault清算監視の自動化など、Vaultの自動化機能も提供されています。自動化機能が有効化されている時に、Vaultの担保率(CR; Collateral Ratio)がユーザーが決定した閾値を下回った場合、Vaultにある担保の一部が即座にDaiに交換され、そのDaiで発行されたDaiを買い戻すことにより、指定されたレベルまでVaultのCRを上昇させます2。
スマートウォレットで独自の機能やより親しみやすい機能を提供することにより、分散型プロトコルおよびアプリへのアクセスが能率化され、新世代のグローバルなDeFiユーザーの参加が促進されます。
DeFiサービス、スマートコントラクトおよび暗号通貨ウォレットについて学ぶには、MakerDAOブログの記事をご覧ください。