新しいブロックチェーンアプリはどのようにDeFiを使いやすくしているのか
July 2, 2021
MakerDAOの分散型ガバナンス・コミュニティは、新規担保追加承認およびリスクパラメータ設定から、新規ソフトウェアおよびアップグレードの統合推進に至るまで、Makerプロトコルの健全性および性能の責任を負っています。MKRトークン保有者は、ガバナンスにおいて賢明な選択をするために最新かつ正確なプロトコル情報にアクセスし、そして重要なことに、その情報の背景を理解する必要があります。そこで、コミュニティのその義務を手助けするために、Maker Foundationのデータサービス・チームは、MCD(複数担保型Dai)投票トラッカーを作成しました。MCD投票トラッカーとは、コミュニティが作成したガバナンス・ツールのリストを補完している、強力な新しいリソースです。
MCD投票トラッカーにより、誰でも簡単に、MakerDAOのガバナンス調査およびエグゼクティブ投票に関する、詳細な最新および過去情報にアクセスし、それらを検索することが可能です。この投票トラッカーは、Token Flowの一連のデータ分析ツールを基に、有権者の投票を促進しています。Token Flowでは、ブロックチェーンデータを処理(※)および分析し、APIまたは簡単に利用できるインターフェースを介して、ユーザーに情報を提供しています。ユーザーは、Makerプロトコル投票コントラクト全バージョン(DSChief 1.0, 1.1, and 1.2)のデータを含む、一続きのイーサリアム・ブロックチェーン・データを掘り下げて検索し、自身の意思決定に役立てることができます。
イーサリアム・ブロックチェーンには大量の情報が保有されており、それらの全てを利用することにより、広範囲の見識、特にいつ処理および提示されたかというデータを、分かりやすいフォーマットで提供することが可能です。
MCD投票トラッカーで提供されているデータは、パブリックなイーサリアム・ブロックチェーン上の全ての人が無料で利用可能ですが、Token Flowのこのプロダクトにより、自分で検索および処理する際の複雑性が取り除かれ、ユーザーに整理された情報が提供されています。このような利便性により、透明性がよりシンプルになっています。
上部の動画例では、最近行われたエグゼクティブ投票「ETH-Aを債務上限インスタント・アクセス・モジュールに追加」を、手順を追って説明しています。Voting History(投票履歴)パネルを開き、Top Supporter(トップ・サポーター)のイーサリアム・アドレスをクリックすると、任意のMKR有権者が、どのように、いつそのエグゼクティブ投票に投票したかを確認できます。
MCD投票トラッカーの投票履歴パネル
現在までのエグゼクティブ投票履歴(上部画像参照)では、ユーザーは、投票の背後にあるMKR量を確認し、アドレスが支持した他の提案も追うことができます。
投票トラッカーには、ガバナンス調査用の同様の機能もあります。現在ユーザーは、MKR有権者が過去にどのようにして、ガバナンス調査を支持、反対または棄権したかを確認できます。このツールは、MKRトークン保有者のガバナンス調査に関する継時的な行動を知りたい人にとって、有益に違いありません。
Makerの分散型でオープンなガバナンス・プロセスは、MakerDAOフォーラムのコミュニティ議論から始まります。MCD投票トラッカーのようなツールは、ガバナンス調査およびエグゼクティブ投票だけでなく、このような議論にも役立つでしょう。
ユーザーはMCD投票トラッカーを利用し、フォーラムでMCD投票トラッカーについて学ぶことができます。さらに、データ科学チームはDAOのために、MCD投票トラッカー・ドキュメンテーションをリリースしました。
(※)データ処理では情報提供において多少のタイムラグが生じます。そのため、投票トラッカーに表示されている情報はリアルタイムではありません。通常約10分のタイムラグが生じます。