数え切れないほどの新規DeFiプロトコルおよびdappについて学習することは、特にこれらプロジェクトに参加および貢献したい人にとっては、威圧的に思えてしまうかもしれません。しかし幸いなことに、このプロセスは必ずしも難しいものではありません。まず初めに、分散化およびDeFiプロジェクトがユーザーに与えている利点を基礎から理解し、次に、人気の高いプロトコルおよびdappについて質問および回答することにより、誰でも様々なプロジェクトおよびそれに付随しているコミュニティについて学習し、さらにはそれらに貢献することができます。

強力なDeFiコミュニティの骨格となる分散化

分散化は、新しい金融商品およびサービス構築の基礎となっています。分散型プロジェクトは、オープンでコミュニティによって管理されており、第三者の許可および干渉なしで機能しています。これにより各個人は、ブロックチェーン上でより安全かつ自律的にピア・ツー・ピアで取引が可能になります。端的に言えば、DeFiにより、全てのユーザーのプロトコル関与および監視が公平になるだけでなく、ユーザーから高度の信頼を得ることができます。

「マネーレゴ」のように既存のdappおよびサービス上に新規のものを作成できるという分散型プロジェクトの構成可能性により、イノベーションおよびDeFiユーザーの利益が促進されています。例えばDeFiサービスは、ブロックチェーンというオープンなインフラ上に構築されているため、開発者なら誰でもクリエイターとなり、インターネットに接続されたデバイスを持っているユーザーなら誰でも、その利用を開始できます。

それだけでなく開発者は、一部には構成可能性のおかげで、共通インフラの再構築に貴重な時間を費やさなくてもよいため、自身が構築するプロダクトやサービスにおいて、今までよりも創造性を発揮できるようになります。それどころか開発者は、DeFiおよびイーサリアム・ブロックチェーンの共通フレームワークを利用できるため、ユニークなプロトコルのローンチに集中できます。

DeFiコミュニティへの参加を決定するためのステップ

顧客がいなければTradFi企業が存在できないのと同様に、DeFiプロジェクトは、グローバル・コミュニティがなければ成功できません。そのため、様々な方法でDeFiの旅路を開始することができます。そのコミュニティが自分に適しているものなのかどうかを見極めるには、以下のステップを検討してみてください。

ステップ1: 基本的な質問をする

ローンチされたばかりのプロジェクトであろうと、以前から存在していたものであろうと、興味深いDeFiプロジェクトを見つけた際には、深いリサーチをする以前に、そのプロジェクトがどのようなものであるか、ある程度把握したいと思うでしょう。まずはいくつかの一般的な質問事項について自問自答し、リサーチを深めるべきプロジェクトの一覧を作ってみましょう。

• そのプロジェクトの全体的な目的は何ですか？その目的は自分の信条および優先事項と一致していますか？そのプロジェクトへの関与を楽しめると思いますか？
• そのプロジェクトは、プロトコルおよびdappの仕組みが理解できるよう、ホワイトペーパーやその他の技術的ドキュメンテーションを公開していますか？
• そのプロジェクトはどの分野で活躍していますか？コミュニティはユーザーが受ける利点に関して、徹底的に分析していますか？
• プロトコルのユースケースは明確に提示および説明されていますか？

主要なDeFiプロジェクトは、ホワイトペーパーや公開ドキュメンテーション、GitHubの公開レポジトリなど、自身の取り組みについてのコミュニケーション方法を最初から確立しています。このような新興市場の標準に達していないプロジェクトがあった場合、コミュニティの一員としての関与を、一度考え直した方がいいかもしれません。

ステップ2：プロジェクトの分散化レベルを判断

全てのDeFiプロトコルおよびdappが、プロジェクトの全側面において、高度な分散性を実現している訳ではありません。例えば、中央集権的なチームからスタートしてプロジェクトを立ち上げ、最終的に完全な分散化を目指すものもあります。また、中央集権型および分散型プロセスを意図的に組み合わせてプロジェクトを進行させ、その融合状態を長期的に維持することを選択しているものもあります。しかし、プロセスに関して長期的な戦略を立てていないものもあるでしょう。分散化に関して様々な見解や取り組みがありますが、以下の問いに対する答えを自身で考えてみてください。

• 現在そのプロジェクトでは、どの程度分散化が進んでいますか？完全な分散化に向けチームは進んでいますか？その場合、彼らのアプローチは適切ですか？
• 創設チームは未だに主要なスマートコントラクトの管理鍵を保持していますか？
• コミュニティの一員としてガバナンスに参加できますか？その場合、投票プロセスは明確に説明されていますか？
• そのプロジェクトで働くなど、コミュニティメンバーが他の方法でプロジェクトに関与できるほど、分散化が進んでいますか？例えば、コードを書いてもらう、新規ソフトウェアをテストしてもらう、文字や視覚的コンテントを作成してもらう、コミュニティ管理のサポートをしてもらうために、コミュニティメンバーを雇用できますか？

ステップ3：プロジェクト・チームおよびコミュニティを知る

真に分散型のプロジェクトでは、コミュニティメンバーがその運営を管理しています。プロジェクトを成功させるには、このような人々の協力が不可欠です。イーサリアム・コミュニティ全体で長期にわたり知られているメンバーもいれば、匿名の新規メンバーもいます。

ユーザーのサポートおよびコミュニティ関与の面で、チームの有効性を知りたいと思うことでしょう。ユーザーへのサポートやコミュニティメンバーの促し方に、プロジェクト・チームの門戸開放的な価値観が反映されています。

コミュニティの知識、経験ならびにコミュニケーションの効率性およびスタイルを総合的に判断するには、以下を考慮してみましょう。

• コミュニティメンバーは、そのプロジェクトの価値だけでなく、より広範なDeFi領域全体について考え、エコシステム全体に関与し、付加価値を与えていますか？ 
• プロジェクトの創設チームは、どのようにコミュニティに情報を提供していますか？ブログを公開し、重要な議論を行う場としてフォーラムを提供していますか？チームメンバーは、AMA、動画、ポッドキャストおよびSNSなどを介して、コミュニティと直接関わっていますか？

• コミュニティは、プロジェクトから独立したコミュニケーション・チャンネルを提供していますか？重要なスマートコントラクトの管理権はコミュニティにありますか？
• ガバナンスの分散化に関する中核概念に基づき、コミュニティが組織されていますか？
• コミュニティはどのように新規メンバーと関わっていますか？尊敬の念と厳格な知識を持っていますか？

ステップ4: プロジェクトの技術について深い理解を得る

DeFiプロトコルの中核的機能は、スマートコントラクトにより作動しています。スマートコントラクトとは、仲介者や中間者なしでDeFiへのアクセスを可能にしているソフトウェア・コードです。イーサリアムのスマートコントラクトで利用されている言語、Solidityに馴染みがあるのであれば、プロジェクトのGitHubアクティビティをレビューし、既存のコードがどのように作動するのか理解することを推奨します。コーディングができない方は、利用可能な資料を深く読み込み、プロジェクトの開発者と関わってみましょう。オープンソース哲学に基づいている多くのコミュニティは、公開フォーラムで快く返答をくれるでしょう。

優秀な技術者のコミュニティと直接関われるということ、および彼らがそれを受け入れているということは、DeFiの重要な文化的特徴の一つであり、これによりDeFiは、全ての人にとってオープンかつアクセス可能なものになっています。

GitHubレポジトリをレビューすることにより、DeFiプロジェクトを技術的により細かく理解できます。

金融の将来を形成する

オープンであるというエコシステムの性質のおかげで、誰でもDeFiに参加可能です。優れたDeFiプロジェクトに出会ったら、コミュニティに参加し、その技術、ガバナンスおよびカルチャーの形成および進歩に貢献してみませんか？

MakerDAOプロジェクトに興味をお持ちのかたは、Makerフォーラムを訪れ、学習を深め、様々な方法で参加してみてください。