暗号通貨とブロックチェーンテクノロジーの恩恵

March 3, 2020

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世界中のさらに多くの人にMakerの魅力を伝えた複数担保型Dai導入直後に2020年はやってきました。このような新規ユーザーの皆さんが、暗号通貨、ブロックチェーンテクノロジー、DaiそしてMakerプロトコルが提供する全てのものについて学習できるように、本日より6回にわたって「暗号通貨へようこそ」シリーズを開始します。このシリーズでは、デジタル資産の利点や暗号通貨の購入方法から暗号通貨の価格チャートの読み方となぜそれが重要になるかまで、全てをカバーしています。それでは始めましょう!

デジタル通貨は世界中の組織や市場を大幅に改革していて、分散化を通じた全ての人の経済的自由が期待されています。暗号通貨の魅力の基盤はブロックチェーンにあります。ブロックチェーンは、様々な業界、とりわけ金融業界に大規模な改革をもたらしています。例えば、世界初の公平な暗号通貨であるMakerDAOのDaiは、イーサリアム・ブロックチェーン 上に構築されており、ハイパーインフレーションにも耐性があります。米ドルと連動しているため、企業も個人も激しい価格変動や第三者の干渉を受けることなく暗号通貨の恩恵を受けることができます。このようにMakerDAOは、急成長している分散型金融(DeFi)エコシステムを触発する活動で重要な役割を担うようになりました。

暗号通貨とブロックチェーン技術の両方の利点を完全に理解するために、まず初めにこの二つがどのように関連しているのかを見てみましょう。

暗号通貨とブロックチェーンの関係

ブロックチェーンとは、コンピューターネットワーク上に存在する取引(または契約)のデータベース(または台帳)です。暗号通貨の取引は、暗号通貨の種類、送金者、受取人、金額などの合意に基づいた詳細を施行するスマート(デジタル)コントラクトで表されます。新規の取引のリクエストがあると、その取引はブロックの中で処理され台帳に記録され、世界中の誰でも見ることができます。

さらに、ブロックチェーンの基盤になっているソフトウェア・コードは無料でオープンソースになっています。つまり、開発者はそのコードを使ってブロックチェーン上、さらには分散型アプリケーション(dapps)上にも自身でdappsを構築できます。既存のコードに基づいて非常に具体的なビジネスソリューションを提供する新しいdappsを作成できるので、これは企業にとって大きなメリットになります。

ブロックチェーン発明家のナカモト・サトシ氏(仮名)は、この新しいテクノロジーを暗号通貨に応用して2008年にビットコインを発明しました。そのため、暗号通貨を語らずしてブロックチェーンとその恩恵について論じることはほぼ不可能です。

ここ12年間急成長しているブロックチェーン・テクノロジーへの関心とビットコインの人気のおかげで、暗号通貨は一つの産業として爆発的に発展してきました。今日、暗号通貨とトークンはブロックチェーンに基づいたエコシステムに栄養を注ぐ食べ物のようなものです。それらは市場全体の様々な問題に対する取り組みに役立ち、非常に特有なかたちで機能します。暗号通貨が企業や個人に与えるメリットの多くは、ブロックチェーン独特の機能に焦点を当てています。

暗号通貨とトークンはブロックチェーンに基づいたエコシステムを成長させてくれます。
暗号通貨とトークンはブロックチェーンに基づいたエコシステムを成長させてくれます。

暗号通貨のメリット

2007年から2008年にかけての世界金融危機の直後、2009年に初めてビットコインがマイニングされました。これは、機能していない中央集権システムへの公衆の高まる不満を明確に示していました。かつて「大きすぎて潰せない」と考えられていた金融サービス会社の崩壊または救済は、カウンターパーティー・リスクの現実を浮き彫りにしました。例をあげると、リーマン・ブラザーズは、2008年に破産手続きを開始した時点ではアメリカで4番目に大きい投資銀行でした。リーマン・ブラザーズの破産は金融業回全体に衝撃を与え、最終的には7000億ドルにのぼる政府からの支援に至りました

暗号通貨は、仲介者を省き個人個人が独立してpeer-to-peer(ピア・ツー・ピア)で取引できるようにすることで、公平な分散型フレームワークを提供しています。例としてDaiは、その支払い能力を信頼できるカウンターパーティーに全く依存しないことで、カウンターパーティーリスクに排除しています。全てのDaiは担保によって裏付けられており、それらの担保はイーサリアム・ブロックチェーン上の公開されている閲覧可能なスマートコントラクトに預けられているので、市場動向の観察者はリアルタイムでシステムの状態を見ることができます。(リスクに鈍感で正確に指摘することがほぼ不可能であったリーマン・ブラザーズとは異なっています)

したがって、暗号通貨には以下のようなメリットがあります。

  • 低手数料: 暗号通貨取引はpeer-to-peer(ピア・ツー・ピア)で中央集権的仲介者が必要ないので、取引コストが最小限に抑えられます。例えば、バンク・オブ・アメリカなどの集権的銀行を使って国際的に送金するとなると、為替手数料が含まれますが、分散型システムでは為替手数料がかかりません。
  • 迅速な支払い: 高取引コストに加えて、中央集権機関および第三者を通した取引では、その手続きにおいて取引に時間がかかってしまいます。暗号通貨では、peer-to-peer(ピア・ツー・ピア)で瞬時に取引ができるので、この不満を解消してくれます。
  • 詐欺の減少: 個人も企業も地理的な境界を超えて物を売買する際には、全く知らない人とやりとりしなけらばならないことが頻繁にあります。ここには、詐欺の可能性が含まれます。システムを欺こうとする人は常にいるものですが、ブロックチェーン上の取引は透明で変更不可能なので、暗号通貨の背後にあるテクノロジーによって詐欺のリスクが少なくなっています。
  • アクセスの良さ: 私たちは一つの繋がった世界に住んでいるかもしれませんが、既存の金融サービスを利用する際には地理的および政治的境界を超えた取引は複雑になっています。暗号通貨は分散化を利用して、異なる境界を越えて金融インフラを平等にし、十分にサービスを受けられない人々へサービスを提供します。言い換えれば、誰でもどこからでも中央当局の干渉なしに暗号通貨にアクセスできるということです。例えば、南アフリカの小企業経営者は、資金調達の代替方法としてMaker Vaultを開設、Daiを発行し、ボラティリティが低いステーブルコインを利用できます。 

これらのメリットがDaiが勢いづいた理由であり、Daiはこれからもイーサリアム・エコシステムを通じて急速に広まっていくでしょう。

暗号通貨とブロックチェーンプロトコルの利点は、分散化に由来しています。
暗号通貨とブロックチェーンプロトコルの利点は、分散化に由来しています。

ブロックチェーン・テクノロジーの恩恵

集権型金融システムには、悪用されるかもしれない内在的な脆弱性が存在します。資金の不適当な配分が起こり、融資と公平さの間にギャップが生まれるかもしれません。最終的に、システムの脆弱性は顧客を苦しめることになります。ブロックチェーン・テクノロジーはより強靭で信頼できるシステムを、以下を通じて提供しています。

  • 分散化: ブロックチェーン・テクノロジーは、ガバナンス関係者に真に分散化されたフレームワークを提供し、意思決定権限をリスクを負う必要のない中央機関でなく、個人に委ねています。全てのデジタル資産が分散型というわけではないですが、Daiは分散型です。Makerプロトコルでは、仲介者として機能する中枢的管理者は存在せず(中央集権型同様法定通貨にペッグされたステーブルコイン)、MKR有権者がシステムを管理し、Daiの安定性を保証しています。なので、MKR有権者はシステムの健全性を維持し、有害な提案からシステムを守ろうとしています。
  • 不変性: 現在の金融業界は中央集権型機関が牛耳っていて、個人も企業も中央集権型機関が正しい情報を与え、倫理的かつ正確に取引を行ってくれることに依存しています。しかしこのような機関は、不正行為に対しては脆弱です。ウェルズ・ファーゴがその代表例です。2016年、米連邦監視官は、金融サービス会社であるウェルズ・ファーゴが顧客に隠したまま200万を超える不正銀行口座やクレジットカード口座を作成していたことを明らかにしました。この不正口座によって銀行が顧客が支払った料金を得ていただけでなく、一部の従業員はボーナスも手にしていました。そこから1年後、架空口座の数は350万にまで膨れ上がりました。ブロックチェーン上の総勘定元帳は変更不可能な性質を持っているので、内部関係者が自身の利益のためにデータを改竄する可能性が排除されます。
  • 透明性: ブロックチェーンは本質的に透明性が高いので、誰でも全ての取引を見ることができ、閲覧可能なアクティビティに基づいて決定を下すことができます。不変性と同様に、透明性が高いと不正行為者は躊躇します。
  • 安全性: ブロックチェーンでの取引の記録はコンピュータ・ネットワーク上で共有されているので、単一障害点がありません。そのため、ハッカーが侵入することは非常に困難です。さらに、ニーモニックなどのセキュリティ手法は、暗号通貨ウォレットの保護に役立ちます。

暗号通貨とブロックチェーン・テクノロジーの恩恵の中心にある分散化

暗号通貨とブロックチェーン・プロトコルの利点は、分散化に由来しています。ブロックチェーン・テクノロジーを通じて、企業も個人も自身の取引を完全に管理できるので、銀行などの中央当局からの干渉、または過失もしくは誤用を心配する必要はありません。さらに、ブロックチェーン・テクノロジーを使用する企業や個人が増えるほど、より強力になっていきます。例えば、Makerプロトコル上でVaultを利用してDaiを発行すると、Daiの経済基盤がより強固になります。

次回の「暗号通貨へようこそ」は、「なぜ暗号通貨には価値があるのか、どうしてそれが重要なのか?」です。

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March 3, 2020