新しいブロックチェーンアプリはどのようにDeFiを使いやすくしているのか
July 2, 2021
こちらの記事は、 6回にわたる「暗号通貨へようこそ」の第3回目です。ここでは、暗号資産の利点や暗号通貨の購入方法から価格チャートの読み方となぜそれが重要になるかまで、全てをカバーしています。
復習
第2回:なぜ暗号通貨には価値があるのか、どうしてそれが重要なのか?
暗号通貨の大量導入を目指した競合においては、暗号通貨分野は、ブロックチェーン・テクノロジーを様々な企業や個人のニーズに応用しようとしている数多くのプロジェクトで混み合っています。去年だけで、暗号通貨産業の時価総額が大幅に上昇しました。そして、Facebookが2019年6月に発表した現在計画中のステーブルコインLibra(リブラ)は、暗号通貨初期の可能性を強調するかのように、それまではデジタル通貨と関わろうともしなかった暗号通貨否定派をも含む多くの人の関心を深めました。
しかし、その発表によってFacebookが答えられないほどのたくさんの疑問が提起されました。従来の暗号通貨コミュニティと規制機関が、使用用途に基づいて暗号通貨の種類分けを迅速に行いました。その結果、一般人の多くは、そのような使用用途がどうして自身の生活に関係しているかや、使用事例に関する用語がよく分からないまま取り残されてしまいました。例をあげると、最初の頃は暗号通貨を「コイン」とも「トークン」とも呼んでいました。これらの用語は、新規参入者には同じ意味をもっているように見えるかもしれませんが、2つの間には明確な区別があり、それぞれの使用方法は異なります。MakerDAOの人気のステーブルコインであるDaiを含むコインは、過剰担保に裏付けられていて暗号通貨として機能する一方で、トークンは暗号通貨テクノロジーを活用して、様々な産業のユーザーのその他の多様なニーズに対応しています。
異なったタイプの暗号通貨を説明するために分類体系が具現化され、多くの人が全体像を把握するのに役立ちました。暗号通貨を完璧に理解するために、まず最も一般的なトークンの種類から見てみましょう。
暗号通貨トークンは、トークンを発行できるブロックチェーン・プロジェクトのエコシステム内で、交換(取引)手段として使われる代替可能なデジタル資産です。それらがどのようにして、エンドユーザーにサービスを提供しているかを考えると分かりやすいでしょう。暗号通貨とトークンはブロックチェーンに基づいたエコシステムに、栄養を注ぐ食べ物のようなものだと考えてみてください。
各トークンはそれぞれ、使用方法に基づいてそのトークンに特有な機能を提供しています。ただし、一つのトークンが複数のカテゴリーに属していることもあるので、トークンのグループは相互排他的ではありません。
プラットフォーム・トークンは、ブロックチェーン・インフラを利用して、さまざまな用途向けに分散型アプリケーション(dapps)を供給しています。例えば、Daiは米ドルにソフトペッグされていて、スマートコントラクトに作られたメカニズムを通して価格が維持されているので、ステーブルコインに分類されていますが、幅広く使用されているイーサリアム・ブロックチェーン上に構築されてもいるので、プラットフォーム・トークンにも分類されています。
Daiは米ドルにソフトペッグされたステーブルコインです。
プラットフォーム・トークンは、それらが構築されているブロックチェーンの恩恵を受けており、そのおかげでセキュリティが強化され、取引をサポートできます。プラットフォーム・トークンは、ゲームやデジタル収集品(クリプトキティ!)のプラットフォームの提供から、国際広告および市場産業に至るまで、あらゆるユースケースを実行します。
「セキュリティ・トークン」という用語は、規制に関する懸念の高まりから現れてきました。証券取引委員会のような規制当局は、従来の法的定義に沿った用語で、暗号通貨を既定しようとしました。
一般的に証券とは、企業、信託、政府、または法人が発行する所有権を記録し、債務の証明、所得分配を受ける権利、財産分配の権利、またはその他同様の法的権利を規定する証書です。証券の種類には、数ある中でもとりわけ、債券、無担保債券、長期債オプション、株式および新株予約権証券などがあり、投資家の中で取引されるか、または自由に譲渡されます。現在はまだ周知のものというわけではありませんが、セキュリティ・トークンとは、実世界証券の直接的かつオンチェーン版として機能するトークン、またはブロックチェーン・プロジェクトやデジタル資産の同様の目的を果たすオンチェーン証書だと言えます。
セキュリティ・トークンは、不動産所有を意味することもあります。例を挙げると、Meridioの投資家は、簡単に不動産株を表しているトークンをトレードし、Daiで支払うことができます。またFluidity Factoraでは、Daiを支払うことでニューヨーク、ブルックリンにある不動産に投資できます。
トークンが、不動産、設備、支払請求書またはビジネスなどの株式に類似したオフチェーン資産の所有権を表す場合、セキュリティ・トークンの価値は資産の評価に直接結び付けられます。つまり資産の価値が高いほど、トークンの価値も高くなります。
トランザクション・トークンは取引に使用され、価値尺度として機能し、商品やサービスと交換されます。このようなトークンの多くが従来の通貨と同じように機能しますが、場合によってはさらなるメリットもあります。例えば、ビットコインやDaiのような分散型暗号通貨を使う際に、ユーザーは銀行やペイメントゲートウェイといった従来の仲介業者や中央機関を利用せずに、取引を実行できます。この暗号通貨としての機能に加えて、Daiはその他のネットワークへのトランザクションも実行できます。例えば、POAネットワークはxDaiという、Daiに似たトランザクション・トークンをサイドチェーン上に作成しました。これによって高速で低コストのトランザクションが可能になりました。
ユーティリティ・トークンは、ブロックチェーン上の既存のプロトコルに組み込まれていて、そのプロトコル上のサービスへアクセスするために使用されます。セキュリティ・トークンのように直接的な投資のために作られてはいませんが、ある特定のエコシステム内でのサービスへの支払いとして使用されることもあります。プラットフォームとユーティリティ・トークンは相助関係にあり、プラットフォームはセキュリティをユーティリティ・トークンに提供し、トークンはプラットフォームの経済を強化するのに必要なネットワーク・アクティビティを提供します。 例えば、DaiはAxie Infinityというプレーヤーが経済を所有するデジタルペット世界で導入され、安定したゲーム内暗号通貨を提供しています。また、Cryptocupなどの他のプロジェクトでは、Daiの安定性を利用して優れた体験を提供しています。
分散型プロトコルがこれからも急増、進化していくにつれて、プロトコルに関連した決定プロセスの改良が不可欠になってきます。オンチェーン・ガバナンスによって、全てのステークホルダーが協力して議論を行い、システムの管理方法についての投票を行うことが可能になります。ガバナンス・トークンは、しばしば変更の提案への支持を示すため、および新しい提案に投票するために使用され、ブロックチェーンベースの投票システムを動かしています。Makerプロトコルでは、MKRがガバナンス・トークンになります。
暗号通貨世界は広大で、最も重要なことに、それは未だに進化し続けています。まとめると、以下の5つが主要なトークンの種類になります。
以上で説明した様々なタイプの暗号通貨トークンはすべて、それぞれ特有の目的のために使用され、多目的なDaiステーブルコインなどは用途が重複することものもあります。各種類を定義することは、個人や企業のボラティリティを経験しないデジタルマネーの利点の実現を、Makerなどの組織がどうやってブロックチェーンを利用して促進しているかをより深く理解するための重要なステップです。
Daiについてのさらなる詳細は、Makerのウェブサイトをご覧になって、Makerフォーラムの会話にぜひ参加してみてください。
次回の「暗号通貨へようこそ」は、「暗号通貨ウォレットガイド」です。
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