複数担保型Daiのローンチで期待できること

2019年11月12日

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当ブログに掲載されている事項は、MakerおよびDaiに関する一般的な情報の提供のみを目的として作成したものであり、特定の商品又はサービスの勧誘や推奨等を目的としたものではありません。

複数担保型Daiのリリースがあと5日に迫っており、これによりMakerDAOプロジェクトにおいての重要なマイルストーンを達成することになります。MCDにより、新しい担保資産タイプはもちろん、待望のDai貯蓄率(DSR)などがMakerプロトコルに期待された新しい機能が導入されます。これらの機能は世界中のMakerコミュニティおよび仮想通貨世界全体で最も話題になっていることですが、ローンチにむけて期待すべきこと、および準備すべきことがまだたくさんあります。

Makerは過去数か月にわたって多くのMCD関連の資料を公開してきました。相当数の資料が存在するので、SaiからDaiへのバージョンアップ、新しい用語、新しい商品、新しいコンテンツそして新しいオンラインの外観の変更に対してユーザーが最善の準備ができるように、最も重要な点をもう一度概括してみましょう。

新しい用語

先月下旬、用語における重要な変更を発表しました。「債務付き担保ポジション(CDP)」は、「Vault」と呼ばれます。またMakerはMakerコミュニティのメンバーおよびメディアに既存のDai(単数担保型Dai)をSaiと、MCDで発行されたDaiをDaiと呼ぶよう要求しました。これにより、二つの通貨を区別し、よりふさわしい用語に慣れることが容易になるでしょう。

新しい用語は、これ以降公開されるドキュメント全てに加え、MCDのリリース直後にMakerプロトコルのユーザー・インターフェース内に反映されます。

新しいDai

MCDのローンチ日には、誰でも移行アプリを使って、簡単にどこからでもSaiをDaiにバージョンアップできます。(詳細は以下の参照してください。)

バージョンアップにより、追加の担保オプションやDSRなどMCDの利点がユーザーに提供されます。

複数担保型Daiは、より活発なガバナンスというMaker Foundationとコミュニティの目標の実現と共に、暗号資産の未来を象徴しています。これに応じてMakerガバナンスは、SCDへの注目度を減らし、MCD関連の提案に焦点を当て毎週投票を行います。そのため、たくさんのMCDの進歩全てを活用したい方は、できるだけ早くDaiにバージョンアップすべきです。

複数担保型Dai

Makerプロトコルを拡張したことは、Maker有権者の承認を得られれば、適切なリスクパラメータを有するほぼ全てのトークン資産が、システム内で担保として利用可能になりうるということを意味します。

Makerコミュニティは現在、予測市場AugurのREPトークンとデジタル広告プラットフォームBraveのBATトークンを含む7つの暗号通貨を査定しています。この7つのトークンのうち、暫定リスクチームがMCDに含めるかどうかの査定を最初に行った2つのトークンがBATとETHです。

さらに、現在の単一担保型Daiシステムでは、安定化手数料(SF)をMakerプロトコルのガバナンストークンであるMKRで支払う必要があります。MCDシステムでは、Vault所有者はDaiでSFを支払います。

コミュニティで検討されている7つの担保タイプ

Dai貯蓄率

MCDの待望の機能であるDai貯蓄率(DSR)を利用することで、Dai保有者は自動的にDSRを得ることができ、これによってDaiが他のステーブルコインからさらに差別化されます。

DSRの特徴は以下の通りです。

  1. Daiを保有する人なら誰でも、いつでもアクセス可能です。
  2. 流動性障害がほとんどありません。ユーザーはいつでもDaiを引き出せます。
  3. カウンターパーティー・リスク面に関しては、単純にDaiを保有するのと何も変わりません。
  4. DSRは他と同様にMakerプロトコル内のスマートコントラクトです。そのため、他の分散型アプリケーション(dapps )でも再構成および利用が可能です。
  5. Maker Vault 所有者のSFから資金調達します。そのため、システム全体のバランスを保つ別のメカニズムとして機能します。

最新のDSRのアップデートで読者の皆さんにもう一度お伝えしたように、Dai保有者は誰でもDaiをスマートコントラクトにロックして、さらなるDaiを得ることができます。Dai保有者は、Maker Foundationが提供する簡単に使えるdappを介してDaiの預け入れおよび引き出しが行えます。

DSR dappのモックアップ

最初のDSRはすぐにMKR有権者の間で議論、投票が行われます。11月4日の移行リスクコンストラクト提案では、Maker Foundationリスクマネジメントのトップ Cyrus Younessiは、「DSRの正確な開始値を決定することは難しいですが、DSRが2%ならば、このより広いDeFiのエコシステムとの競合できる可能性が高いです。DeFiエコシステムは現在Saiで~6%(下落している)の利率を提供しています。」と述べました。

DSRの興味深い点の詳細についてのブログが数日後に公開される予定です。

移行

ユーザーは、MCDのローンチ時にSaiをDaiに移行できます。皆さんがいつも使っている取引所やパートナーの準備もできていることでしょう。しかし、移行期間に終わりがあることを覚えておいてください。将来どこかの時点で、コミュニティがSaiエコシステムを効果的に管理することがもはや不可能である、またはそうすることが望ましいと判断した場合、SCDで緊急時シャットダウンが引き起こされます。いつ起こるかの予測はできません。そのため、緊急時シャットダウンを避けるために、ユーザーは早めに移行を行うべきです。バージョンアップされていないSaiとCDPがどうなるかについては、緊急時シャットダウンについてのドキュメントをご覧ください。

SaiおよびCDPの所有者からキーパー(Keepers)およびdapp開発者に至るまで、すべてのタイプのユーザーは、バージョンアップのサポートが必要な場合は移行ガイドMigration Guide)を参照できます。重要な点として、このガイドにはCDPを閉じるためには、SFを支払わなければならないことも記載されています。

ガバナンス投票とエグゼクティブ投票

Makerプロトコルは、世界中にいるガバナンストークンであるMKRを保持している人々によって管理されています。エグゼクティブ投票を含む科学的なガバナンスを通して、MKR有権者はMakerプロトコルと財務リスクを管理し、その安全性、透明性および効率性を保証します。投票コントラクトにロックされているMKRトークン一つが一票に値します。

現在から今年の終わりまでにかけて、Makerコミュニティはさらなるガバナンスコールと投票およびエグゼクティブ投票があることを予期しておくべきです。Maker Foundationは、必要に応じてこれらの動向に注意しておくようコミュニティに呼びかけます。1月から、ディスカッション、調査、並びに追加担保、正式なリスクモデル、資産優先度調査およびDSRを軸とした投票を伴って、ガバナンスまたはリスクサイクルがより予期しやすくなります。

Makerガバナンスポータル

新規Oasis

10月2日、MakerはOasis Tradeを立ち上げ、一体型分散型金融(DeFi)ハブの作成に向けた第一歩を踏み出しました。11月18日のMCDのリリースと共に、私たちは二つの新たなプロダクト、Oasis BorrowとOasis Saveをローンチし、次のステップに進みます。

Oasis BorrowはユーザーがVaultで自身の担保資産(ローンチ時はETHとBAT)をロックしDaiを発行するためにアクセスするポータルです。

Oasis SaveはDSRメカニズムを有効にし、それによりユーザーがDaiを稼ぐことが可能になるプロダクトです。

重要な点として、MCDのローンチ直後にOasis TradeはSaiのトレードをやめ、Daiのトレードを開始します。Dai市場での取引を再開するためにユーザーは、現在のSaiの注文をキャンセルし、SaiトークンをDaiに移行することができます。

BorrowとSaveについての詳細を述べたブログ記事が翌週公開されます。

新たな取引オプション:待望の取引所での複数担保型Dai

MakerはMCDの提供の準備を行っている取引所と連携しています。しかし、彼らは独自のスケジュールに沿っています。ほとんどの取引所において1~3週間ほどでそのスケジュールが公表されると考えていますが、質問がある場合は取引所に連絡をとり、その間にもOasis Tradeを利用すべきかと思います。MakerはMCDをサポートする取引所を示したトラッカーを含むブログ記事も公開する予定です。

オークション、キーパー、およびオラクルに関するドキュメント

7月に、Makerコミュニティの全員がMCDシステム・オペレーションをよりよく理解できるように、複数担保型Daiのオークションとキーパーの概要を公開しました。Makerプロトコルのガバナンスに参加している場合でも、安定したシステムに頼っているDaiユーザーである場合でも、システムの安定性を維持するためにオークションはどのように機能するか、およびキーパーはどのような役割を果たすのかについて理解したいのではないかと思います。

数ヶ月後に、関連資料、オラクルv2と分散化金融フィードの導入(9月6日)、MCDにおける自身のオークション・キーパー・ボットの実行方法を発表しました。

オラクルV2でフィードを運営する最初の組織

本日システムと全てのオラクル間でのオラクル・セキュリティ・モジュール(OSM)を発表します。このOSMにより価格を1時間遅らせ、これにより不正に侵害された際に、緊急時オラクルまたはガバナンス投票によりオラクルをフリーズすることができます。緊急時オラクルまたは価格遅延期間に関する決定は、MKR有権者が行います。

新たなブランディング、ウェブデザイン、そしてUX

数ヶ月にわたって内部ブランド監査を行い、コミュニティのメンバーと話し合った結果、ウェブサイトのデザイン等のMakerとDaiのブランディングを発展させ、私たちのプラットフォームでのユーザーエクスペリエンスを改善する機会がありました。これらの変更が、DeFiが主流になり、Daiが通貨として世界的に認識されるための手助けになります。こちらについては、今後のブログ記事において説明します。

新しいコンテンツ

新しいホワイトペーパー:2017年12月、MakerDAOは最初のホワイトペーパーを発行し、単一担保型Daiシステムを紹介しました。MCDの発売後まもなく、新しいホワイトペーパーが発行され、複数担保型Daiシステムの設計全ての技術的説明を提供します。

開発者ガイド:開発者は、Makerプロトコル上にさまざまなdappを構築できます。開発者リポジトリには、スマートコントラクト、SDK、API、および製品を通じてMakerDAOおよびパートナーとのインタラクションを理解するのに役立つガイドとチュートリアルが含まれています。

ソートリーダーシップへの焦点:ウェブサイトの訪問者、特にMakerブログの読者は、ソートリーダーシップのコンテンツの増加と、より幅広い情報および教育に関する記事の公開に期待していてください。

さらなるFAQ:MakerのFAQは今後さらに堅実なものになり、パートナー、Vault所有者、Dai保有者および新規参入者へ提供されます。

翻訳業務の増加:私たちのブログは現在、英語、スペイン語、日本語、中国語、韓国語で公開されています。年末までに、ホワイトペーパーを含む最重要ドキュメントの製品ポータルの翻訳も開始します。ウェブサイトのローカライズがすぐに開始され、12月までには完了すると考えていてください。

喜んでお手伝いします!
この記事の目的は複数担保型Daiに向けて皆さんに準備をしてもらうことです。MCDのローンチやSaiからDaiへのバージョンアップについて質問がある場合は、Makerフォーラムでお気軽にお尋ねください。


2019年11月12日