新しいブロックチェーンアプリはどのようにDeFiを使いやすくしているのか
July 2, 2021
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複数担保型Dai(MCD)が11月18日にリリースされますが、その新しい機能の導入に伴い用語の重要な変更が行われます。「担保付き債務ポジション」は「Vault」(金庫)と呼ばれます。
それに加えて、SCDで発行されたDaiとMCDで発行されたDaiの区別を分かりやすくするために、SCDで発行されたDaiをSai、MCDで発行されたDaiをDaiと呼ぶことにします。Makerコミュニティとメディアの皆さんにも、同じ用語を使うようお願いします。これは用語の変更ではなく、相応しい専門用語に認識に関する重要なポイントです。
Maker FoundationはMakerDAOの始動に取り組んでいるので、このような決定は容易に行われません。
複数担保型Daiのローンチにより、新しい種類の担保が導入され、さらなるDaiが流通し、新たなユーザーグループを迎え入れることになります。単数担保型Dai(SCD)からMCDへのバージョンアップの計画にあたり、大多数がMakerプロトコルへの新規参入者であるより幅広いオーディエンスが、現在の用語を理解できるかできないかを検討する良い機会がありました。
再検討すべきだと即座に思いついた用語が、担保付き債務ポジション(CDP)です。多くのユーザーと話し、「担保」という言葉は、CDPが提供するものとは全く関係のない従来の金融商品を思わせるので、分かりにくいと考える人もいると気付きました。さらに、MCDでは様々な種類の資産も担保できるので、「CDP」を「Makerプロトコルで保持する全てのもの」という意味で使用する人もいれば、「預けられた担保の各種類」という意味で使用する人もいます。
したがって、さらなる混乱を減らすために、新しい用語「Vault」を作成しました。
MCDのMaker Vaultは、ユーザーが担保を預け入れ、Daiを発行する場所です。重要なのは、預けられた各担保にそれぞれのVaultがあるということです。より確実に理解するために、以下の二つのシナリオでどのようにこの用語が使われているか、考えてみてください。
シナリオ1: ボブは、MakerプロトコルでETHを担保として使用してDaiを生成したいと考えています。そうするには、彼はETHをVaultに預け入れます。各担保タイプにはそれぞれのVaultがあるため、彼はETH Vault、BAT Vault、およびDaiの発行に使用する追加の担保タイプごとのVaultを持つことになるでしょう。また、彼は担保のレベルが異なるVaultも持つことになるかもしれません。
シナリオ2: アリスは、Vault内のBAT担保を全て引き出したいと考えています。そうするには、以前発行したのと同じ額のDaiとSFを返済しなければなりません。彼女が担保を受け取った後も、システムはVaultを「閉じ」はしません。その代わりに、彼女がまた預け入れを行うまで、Vaultはブロックチェーン上に空のまま残ります。
新しい用語は、これ以降公開されるドキュメント全てだけでなく、MCDのリリース後すぐにMakerプロトコルのユーザーフェース内で反映されます。相当数がある既存のドキュメントについては、新しい公式用語を含むための変更を徐々に行っていきます。
Dai.js SDKや同様のツールについては、「CDP」を含む現在の関数名を変更する予定はありません。しかし、Dai.jsのドキュメントはアップデートされます。
最後に、重要なことですが、現在の単数担保型Dai(Sai)の開発においては、用語の変更は行われません。CDPポータルのフロントエンドおよびSCD関連のドキュメントでは、引き続きCDPと呼ばれます。
ユーザーの皆さんは、CDPに担保を預け入れDaiを発行するのに慣れている場合は、MCDのローンチ時に、CDPの代わりにVaultに担保を預け入れそこからDaiが発行される、ということだけ覚えておけば大丈夫です。
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