Makerコミュニティの次なる冒険
June 22, 2021
以下のコンテンツは、Makerの新しい三部作、「投票知識をつける(Informed Voting)」シリーズの第一部であり、MakerDAOガバナンスにおけるコミュニティ投票の手助けとなるツールを取り上げています。
Daiの価格が安定するかどうかは、Makerエコシステムを支える二つの柱、つまりMakerプロトコルおよびMakerDAO分散型ガバナンス・コミュニティの、回復能力および安全性に懸かっています。
ブロックチェーン基盤のスマートコントラクトシステム、および分散型価格フィードで構成されているMakerプロトコルは、流通している全てのDaiが十分に担保されていることを保証できるように設計されています。MakerDAOのガバナンス・コミュニティは、Maker Vault所有者に課される安定化手数料、担保資産の債務上限、および各資産の清算率などを含む、Makerプロトコル稼働に必要なパラメータ設定を請け負っています。ガバナンスではまた、新規担保の追加、ならびにプロトコルやDAO自体への変更およびアップグレードについて議論が交わされ、最終的には投票が行われます。
Makerの投票者は、意思決定の判断材料として、事実およびデータに基づいた幅広い資料を探しています。このような資料の中には、MakerDAOコミュニティが作成したガバナンス・ツールなど、プロトコルおよびDAOの主要な側面を全てカバーしたウェブサイトやドキュメントがあります。
以下では、DaiおよびMakerプロトコルに関するデータポイントを提供し、MKR有権者の投票をサポートしている3つのツールに加え、直近および過去のガバナンス投票結果に関してより広範なデータの閲覧を可能にしている、新たなリソースを1つ見ていきましょう。Dai市場および清算システムの理解を深めるためのツールは、このシリーズの続編で取り上げていきます。
1. @MakerDaiBot
Makerプロトコルの情報を簡潔にまとめているのが、MakerDaiBotです。MakerDaiBotでは、大まかなMaker Vault情報(例:Vault作成や清算情報)に加え、有権者が重要かもしれない開発を追跡できるよう、プロトコルの変更をまとめた有益な情報もツイートしています。
@MakerDaiBotではMakerプロトコルのアップデートが要約されています。
2. DaiStats
DaiStatsでは、MakerプロトコルおよびDaiの供給情報を詳細に確認できます。DaiStatsでは、全ての担保タイプの債務上限や各担保毎に発行されたDaiの量など、統計情報が提供されています。さらなる情報についてはDaiStatsガイドをご覧ください。
DaiStats.comでは、MakerプロトコルおよびDai供給状況が一目で分かるようになっています。 (2021年3月25日の画像)
3. Catflip
Catflipとは、安定化手数料からオークションタイプやオークション期間に至るまで、Makerプロトコル・システムの主要指標を包括的に列挙したツールであり、まだ開発途中にあります。これによりMKR投票者(およびMakerプロトコルの日々の動きに興味を持っている関係者)は、複数の担保タイプのデータを相互に参照できます。
Catflipでは、Makerプロトコルにある担保資産のリスク、清算およびオークションのパラメータを確認できます。(2021年3月25日の画像)
4. MCD投票トラッカー
上記の3つのツールでは、Makerプロトコルの健全性および全体的な性能に関して、モザイク状の情報を提供しています。しかし、過去の投票における傾向を細かく精査したいユーザーは、MCD投票トラッカーへアクセスしてみてください。MCD追跡トラッカーでは、APIや簡単に利用可能なインターフェースを介して分析されたブロックチェーン上のデータを、ユーザーへ提供しています。現在のガバナンス調査およびエグゼクティブ投票状況に加え、過去のガバナンス・アクティビティも全て、誰でも閲覧および分析可能です。
MCD投票トラッカーの発表時にもお伝えしたとおり、MCD投票トラッカーで提供されているデータは、パブリックなイーサリアム・ブロックチェーン上で無料で利用可能ですが、このプロダクトにより、自分で検索および処理する際の複雑性が取り除かれ、ユーザーに整理された情報が提供されています。このような利便性により、透明性がよりシンプルになっています。
MCD投票トラッカーのホームページでは、各アドレスのMKRステーク量やそのアドレスが現在支持しているエグゼクティブ投票など、これまでに投票を行った全てのアドレスのデータを含む、Makerガバナンス投票統計の概要が表示されています。
各セクションのリンクをクリックすると、ユーザーは、アドレス、エグゼクティブ投票およびガバナンス調査それぞれの、詳細情報を掘り下げることが可能です。(ガバナンス調査ではプロトコルが変更されないため、ガバナンス調査の情報は比較的少なくなっています。)さらに全てのページの検索が可能で、データは.CSVファイルでダウンロードできます。
以下の動画では、エグゼクティブ投票の手順を追って説明しています。Voting History(投票履歴)パネルを開き、イーサリアム・アドレスをクリックすると、任意のMKR有権者が、どのように、いつエグゼクティブ投票に投票したかを確認できます。
誰でもMCD投票トラッカーを利用して、MKRトークン保有者の投票傾向を分析できます。こちらのフォーラムの投稿でMCD投票トラッカーについての学びを深め、公開されているMCD投票トラッカー・ドキュメンテーションをご覧になってみてください。
Dai、MakerプロトコルおよびMKR投票の最新および過去のデータ両方へアクセスすることは、情報に基づいて意思決定を行う際に非常に重要です。簡単に利用できる追加リソースを自由に使いこなすことにより、MKR有権者は、各エグゼクティブ投票およびガバナンス調査の背景を、より深く理解できるようになるでしょう。
このシリーズの第二弾では、Dai市場をより詳しく分析するためのリソースを、第三弾ではMakerプロトコル清算システムを紐解くツールを解説します。楽しみに待っていてください。それまでの間、MakerDAOフォーラムにてMakerDAOの公開ガバナンスに参加し、先日再設計されたばかりの投票ポータルを使ってみてください。