新しいブロックチェーンアプリはどのようにDeFiを使いやすくしているのか
July 2, 2021
こちらの記事は、6回にわたる「暗号通貨へようこそ」の第4回目です。ここでは、暗号資産の利点や暗号通貨の購入方法から価格チャートの読み方となぜそれが重要になるかまで、全てをカバーしています。
復習
第2回:なぜ暗号通貨には価値があるのか、どうしてそれが重要なのか?
MakerDAOの分散型ステーブルコインDaiによって、世界中の人々は、暗号通貨の真の価値を引き出し、激しい価格変動を取り除くことができるようになりました。より多くのユーザーが、ブロックチェーン上のDaiの大きな可能性に気付いていくにつれて、暗号通貨が不可解なものではなく有益であると考えられる世界に近づいていきます。金融の選択肢に関して、時代が変わりつつあることは事実ですが、資産を記録、保護する必要性はこれからも変わりません。
暗号通貨ウォレットに入ってみましょう。
様々な種類の暗号通貨ウォレットが利用可能なので、それぞれ別々に見ていく必要があります。
暗号通貨のコインとトークンはデジタル資産であり、物理的な形では存在せず、物理的な財布またはその他の場所に保管することはできません。暗号通貨ウォレットはソフトウェアであり、自身の暗号通貨の所有権譲渡に必要な秘密鍵(以下を参照)にアクセスするために使用されます。ウォレットは資産を管理し、分散型アプリケーション(dapps)とやりとりするツールとして機能します。dappsには、ユーザーがDaiを発行するMakerプロトコルへのアクセスを可能にするインターフェースの一つ、Oasis Borrowなどがあります。暗号通貨ウォレットでは、自身のコインとトークンのリストおよび残高と取引履歴が表示され、送金もできます。
どのような種類の暗号通貨ウォレットを使っても、ブロックチェーン上の公開アドレスと秘密鍵が割り当てられます。暗号通貨を使用して何か行う時はいつも(購入、売却、支出または送金)、そのトランザクションはブロックチェーンの台帳に記録され、公開アドレスが添付され、誰でもそれらを永久に見ることができます。ですがその反対に、秘密鍵はその名のとおり自分用です。秘密鍵は、デジタル版の指紋のようにその人に特有なものであって、自身の取引に「署名」する際にも使用されます。そのため、絶対に他人と共有してはいけません。
暗号通貨ウォレットは、通貨盗難に対する強力な防衛の最前線にあります。
暗号通貨の取引には、銀行や第三者は全く関与していないので、自分自身で責任を持って秘密鍵を管理しなければなりません。秘密鍵をなくしたときに電話するサポートネットワークもなければ、助けを求めて行く「ジーニアス・カウンター」もありません。暗号通貨ウォレットのデベロッパーたちは、秘密鍵のバックアップオプションを提供し始めてはいますが、未だ多くのデベロッパーが、ユーザーに極めて重要であるリカバリーフレーズ(seed phrase)を提供し、秘密鍵をなくした、またはウォレットが危険に晒されたもしくは失くなった際には、それを入力してもらっています。リカバリーフレーズを失くすと、秘密鍵も失くすリスクがあり、それゆえ自身の暗号通貨の所有権譲渡もできなくなるリスクがあります。
*ウォレットの所有者はウォレットを利用し、暗号通貨そのものではなく暗号通貨の所有権を移します。暗号通貨は単にソフトウェアであり、移行可能な有形物ではないからです。
暗号通貨ウォレットは、通貨盗難に対する強力な防衛の最前線にありますが、暗号資産の安全性は秘密鍵とリカバリーフレーズが置いてある場所と同じでしかありません。
暗号通貨ウォレットは大きく二つに分けられます。ホット・ウォレットとコールド・ウォレットです。ホット・ウォレットはほとんどの場合、携帯、デスクトップおよびブラウザなどインターネットに接続されているため、このように呼ばれています。コールド・ウォレットには、常に「ホット」でないペーパー・ウォレットや、使用時だけインターネットに接続されるハードウェア・ウォレットなどがあります。ウォレットの種類にはそれぞれ特有の利点があるため、セキュリティとパフォーマンスのニーズに最適なものを選択する必要があります。
*最近の規制ガイダンスでは、「ホスト型ウォレット」と「非ホスト型ウォレット」の違いにも注目してもいます。第三者がユーザーの資金の管理を行うウォレット(例:取引所を介してアクセスするウォレット)は、「ホスト型ウォレット」と呼ばれ、反対にユーザー、自身の資金に対して完全に独立した管理権を持てるウォレット(例:MetaMask)は「非ホスト型ウォレット」と呼ばれていることも理解しておかなければなりません。
暗号通貨ウォレットでは残高と取引履歴が表示されます。
ハードウェア・ウォレットは、デバイスに接続されたときだけ「ホット」なので、セキュリティが強化されています。ハードウェア・ウォレットを使ってトランザクションに署名するには、パスコードをデバイスに入力して手動で秘密鍵のロックを解除しなければなりません。そのため、モバイル・ウォレットまたはデスクトップ・ウォレットは、悪意のあるオンラインアクターによってハッキングされる可能性がありますが、ハードウェア・ウォレットは物理的にしか侵害されません。ハードウェア・ウォレットを使用していないときは、常に安全で人目につかない場所に保管してください。
使用できるウォレットの数に制限はありませんが、暗号通貨を始めるなら、まずは一つだけを選ぶのが最適でしょう。しかしそのうち、状況に応じて使用するウォレットが異なり、すべてのウォレットがすべてのブロックチェーンをサポートしてるわけではないということに気づくでしょう。
暗号通貨の大まかな残高管理にはコールド・ウォレットを使用し、細かいものにはホット・ウォレットを使用する人もいます。必要に応じて両方を交替で使っている人もいます。例えば、今ハードウェア・ウォレットが手元になく、至急大規模なトランザクションを行わなければならないとします。その場合、ホット・ウォレットであるブラウザ・ウォレットを使用してそのトランザクションを行い、その後により安全なコールド・ウォレットに残高を移動させることが可能です。
さらに、ブロックチェーンによって必要な公開アドレスが異なり、ウォレットによっては異なるブロックチェーンのトークンをサポートしていないこともあります。たとえば、ビットコインはビットコイン・ブロックチェーン上にあり、Daiはイーサリアム・ブロックチェーン上にあります。なので、もし1ビットコインと1Daiを送りたい場合には、2つの異なった公開アドレスに送らなければなりません。使用しているウォレットが、ビットコインおよびイーサリアムブロックチェーンのどちらかのトークンしかサポートしていない場合、2つの異なるウォレットを使用する必要があります。
2019年2月のETH Denverの売店でバーナー・ウォレットを使って食べ物を購入するMakerのオラクル責任者のMariano Conti
最後に、バーナー・ウォレットは、携帯端末を利用して少量の暗号通貨をシンプルかつ高速に交換する方法をユーザーに提供しています。多くの場合Makerのイベントでは、少量のDaiが初めから組み込まれたバーナーウォレットが参加者に渡されます。使い捨てウォレットは、イベントで新規ユーザーがDaiを実験的に試してみて、商品を売り手から買ってみるには最適です。
ユーザーの暗号通貨の使い方が時間と共に変化するにつれて、それぞれのウォレットに特有な機能が、ユーザーの選択に影響を与えることになります。確かに、暗号通貨ウォレットで新規ユーザーが多少混乱する可能性はありますが、ユーザーにさらなる金融的自由と経済的機会を与えるためにウォレットが果たしている役割を考慮すると、時間をかけてでもきちんとした知識を得ることは価値のあることです。
次回の「暗号通貨へようこそ」は、最終回の「暗号通貨の価格チャートの読み方とそれが重要な理由」です。「暗号通貨へようこそ」のパート5はアメリカ市場向けなので、日本語版では省略します。
こちらのコンテンツは情報提供のみを目的としており、法律、ビジネス、投資、税務に関するアドバイスとして信頼するべきではありません。これらの問題につきましては、自身のアドバイザーにご相談してください。デジタル資産に関するチャート、グラフおよび参考資料は情報提供および説明のみを目的としています。
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