新しいブロックチェーンアプリはどのようにDeFiを使いやすくしているのか
July 2, 2021
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MakerDAOはブロックチェーン技術を活用し、分散型ステーブルコインDaiを通して貨幣の多岐に渡る可能性を解き放ってきました。Makerプロトコルを介して発行され、過剰担保に裏付けられているDaiは、米ドルにソフトペッグされています。簡単に言えば、Daiとはデジタル・キャッシュです。より優れている高性能なドルのようなものだと考えてみてください。
従来の法定通貨と異なり、Daiは公平で誰でもどこにいても利用可能で、従来の金融サービスのパラメータ(時間のかかる決済や高手数料など)の枠組みに囚われていません。その結果、Daiは成長している分散型金融(DeFi)で使用されているデジタル・トークンを牽引するようになりました。
Daiステーブルコインのユースケースとその恩恵に気付く人が、日々世界中で増えてきています。こちらがユースケースとその恩恵のトップ10です。
従来の金融システム、銀行およびその他の金融サービス企業を利用するには、個人情報、信用証明さらには最低預入金額など、利用希望者に多くのことが要求されます。これらの要件のせいで利用を諦める場合もあり、世界中で銀行口座を持てない人および銀行に十分にアクセスできない人が減ることなく増え続けています。しかしDaiステーブルコインによって、誰でもどこにいても経済的地位に関係なく、これまでにないほどの経済的自由を提供する金融サービスへのアクセスが可能になります。
インフレが深刻なアルゼンチンでは、政府が引き出し制限など日常的に資本規制を行なっていて、米ドルを貯蓄通貨として利用している居住者が損害を被っています。Daiはこのような住民に、より安定した通貨への簡単なアクセスという解決策を提供しています。1Daiトークンは、アメリカでもアルゼンチンでも、その他世界中どこでも同じ価値を持っていて、中央銀行や第三者の干渉を全く受けずにでピア・ツー・ピアで取引が可能です。
Maker Vaultに担保を預け入れてDaiを発行したい場合も、Daiを支払方法として利用したい場合も、Oasisまたはその他の人気の取引所でDaiをトレードしたい場合も、手持ちのDaiでDai貯蓄率を得たい場合も、Makerプロトコルを介して制限無しでそれらを行うことができます。
Daiがどのように彼の経済的実態を変え、発展途上国で苦しんでいる他の人の人生を転換できるのかについて説明している、Makerのスマートコントラクト責任者でありアルゼンチン在住のマリアノ・コンティ人々は日々、様々な取引所でDaiを買い、ここで挙げられている用途に使用しています。しかしDaiを購入するのではなく、Makerプロトコルを利用してDaiを発行する人もたくさんいます。そのプロセスは非常に簡単です。ユーザーはMaker Vaultで過剰担保をロックし、ロックした担保の額に基づいてDaiを発行します。
多くの人は値上がりを見越してETHを預け入れ、Daiを発行します。このような人はETHをMaker VaultでロックしてDaiを発行し、価格が上昇することに期待してさらなるETHを買います。多数のビジネスオーナーがDaiを発行し、自身の資金をブロックチェーン空間で保持しながら暗号通貨に特徴的なボラティリティを回避することで、運転資本を作り出しました。
Daiステーブルコイン保有者は、Daiを特別なスマートコントラクトにロックすることで、自身が保有しているDaiの上にDai貯蓄率(DSR)を得ることができます。手数料や地理的制約、流動性障害は全くありません。DSRを得るのに必要な最低入金額もなく、いつでもDaiの一部または全部を引き出すことができます。
Dai貯蓄率のコントラクトには、Oasis SaveおよびOKEx市場やArgentウォレットなどのDaiを組み込んだ他のプロジェクトを介してアクセスできます。DSRは、ユーザーに完全な管理権を与え経済的自由の推進力になっているだけでなく、DeFiムーブメントに大変革をもたらしています。
Daiステーブルコインは、価格変動幅の激しい暗号通貨世界で安定性を提供しています。Daiは米ドルにソフトペッグされていて、Maker Vaultにロックされた過剰担保に裏付けられています。市場のボラティリティが激しいときには、Daiを使えば、ユーザーは暗号通貨世界から離れることなく価値を保存することができます。
安定した交換手段として、Daiは債務返済、 国際取引ならびに商品およびサービスへの支払いとして使用できます。従来の金融サービスを利用した国境を越えた送金は、高価な上に時間がかかります。例えばこの記事執筆時点では、バンク・オブ・アメリカは、アメリカからの米ドルの国際電信送金に45ドル請求しています。ウエスタンユニオンは、アメリカのウエスタンユニオンからアルゼンチンのウエスタンユニオンへの1000ドルの送金に9ドル請求しています。しかしMakerプロトコルはブロックチェーン上に構築されているので、ユーザーは数秒のうちに従来の方法の何分の一かのコストでDaiを世界中にピア・ツー・ピアで送ることができます。(ユーザーはガス代を支払うだけです。)
従来の金融サービス企業は、一般的には慣習的な営業時間を維持し、スケジュールに沿って営業しています。これは、ユーザーは週末に「銀行を利用」(ATMを利用した現金預入れおよび資金の引き出し、またはデスクトップやモバイルアプリを利用した小切手預入れおよび送金等)できますが、その取引は翌営業日まで完了されません。
しかしDaiなら、分散型でブロックチェーン上に構築されているので、ユーザーは24時間365日いつでも利用可能です。ユーザーは、Daiを発行したい場合でも単に商品およびサービスへの支払いとしてDaiを送りたい場合でも、自身のスケジュールでいつでも世界中どこででもそれらを行うことができます。
Daiはいくつもの規制されたプラットフォーム上で、簡単に法定通貨へ交換できます。例えば、Coinbaseおよびそのトレード・プラットフォームのCoinbase Proの両方で、Daiを法定通貨で購入および法定通貨へ売却できます。送金サービスのWyreも、手持ちのDaiステーブルコインと法定通貨の交換に有効な玄関口の一つです。
分散型のMakerプロトコルによって、ユーザーはDaiおよびDSRがどう機能するかについて、マクロとミクロ両方の知見を得られます。全てのトランザクションは、誰でも閲覧可能な公開台帳で共有されているので、ブロックチェーン技術には、独自の抑制と均衡システムが組み込まれています。それに加えて、技術面に詳しいユーザーは監査および形式的検証が行われたMakerのスマートコントラクトで、これらの金融テクノロジーがどのように機能するかの詳細を見ることができます。従来の金融業界では、このレベルの透明性を期待することはできません。
Daiの普及は増加しています。DaiまたはDSRなどのDaiの機能もしくはその両方を組み込んだプロジェクトが増えれば増えるほど、ステーブルコインを使用する人が増え、Makerエコシステムが成長します。開発者がDaiを利用することで、彼らののプラットフォームにいるユーザーは、安定した資産での取引が可能になり、リスクを回避したい参加者への可能性が広げられています。開発者層およびDaiユーザー層の成長が、Makerプロトコルのネットワーク効果に貢献し、それによりエコシステムの認知度と安定性が向上します。
Daiステーブルコインは、価値の貯蔵手段、取引資産、受動所得およびMaker Vaultの担保尺度であり、DeFiムーブメントの重要構成要素です。安全かつ包括的で、公開されているパーミッションレスなシステムの恩恵に気付く人が増えるにつれて、ムーブメントはさらに成長していきます。
MakerエコシステムにはMaker Foundationが作成したdappの他に、コミュニティが作成したdappもあります。
Daiはニッチなユーザーにもメリットを提供しています。例えば、ブロックチェーン・ベースのゲーマー間でのDaiの利用が増えてきています。2019年6月、MakerはAxie Infinityと提携し、デジタルペット世界の人気なブロックチェーンゲームのゲーム内の通貨として、Daiが導入されました。そこから1年も経たない2020年3月、Maker Foundationは、Daiが世界経済で普及するのに最低限必要な人数に達するためのサポートに的を絞った試みであるDaiゲーム・イニシアチブを導入しました。Daiはまた災害支援活動でも頻繁に利用され、必要な人に迅速かつ簡単に安定した資金を提供しています。
暗号通貨とブロックチェーン技術によって、効率的でトラストレスな(信用を必要としない)取引、貯蓄、および第三者の干渉を受けないビジネスを行うことが可能になります。これらと共に、Daiステーブルコインの上記のユースケースによって、あらゆる個人または企業がデジタルマネーの利点に気づくようになります。
MakerプロトコルおよびDaiについてのさらなる情報については、新しいホワイトペーパーをご覧ください。直接Daiを探究してみたい方は、Oasis DeFi Hubをご利用ください。